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−隆二side (回想)
家に着き…
淹れたてのコーヒーが入ったカップを握らせ、
彼女を落ち着かせる。
まどか「隆二には…知られたくなかったんだけどな…(^^)」
男が交際相手の女性に暴力を振るう『ドメスティック・バイオレンス』。
略して『DV』。
…彼女は今、DVの被害者となっているのだ。
隆二「…いつから?」
まどか「一ヶ月ぐらい前から。友達と遊んでて帰りが遅くなっちゃって、急いで帰ったら物すごい剣幕で怒鳴られて…殴られたの。それが一番最初」
カップを持つ手が震えている…。
まどか「過度の束縛に耐えきれなくなって…早く自由になりたくて…。『別れたい』って言ったら、また散々殴られて蹴られて…。それで家を飛び出して…それでっ…!」
隆二「もういいよ。もう言わなくていい。ごめん、思い出させて…」
隣に座り、彼女の背中をさすった。
俺の中で、まどかは完全に消えたはずだった。
だけど…
『7年間も想い続けた大切な人』ということに変わりはない…。
そんな彼女が今、交際相手からの暴力によって一人で苦しんでいる。
(くそ野郎め…!)
加害者の男に対する怒りと、
こんな思いがけないカタチで俺らを再会させた神様への恨みで、
胸がいっぱいになった。
まどか「隆二は今、いるの?大切な人…」
…真っ先にAの顔が思い浮かぶ。
隆二「いるよ」
まどか「…そっか。ずっと大事にしてあげてね(^^)」
そう言って笑う彼女に、俺は複雑な感情を覚えた。
そして…
俺が眠っている間に彼女は去っていった。
置き手紙には、こう記されていた。
『DVシェルターに逃げるつもり。だから、なにも心配いらないよ』と…。
…黙って、その手紙を握りしめる。
あのとき見て見ぬふりをしていれば、こんな感情は抱かなくて済んだのだろうか…。
苦しんでるまどかを放ってはおけない。
だけど、Aのことも離したくはない…。
どうしようもないほど身勝手で、どうしようもないほどわがままな…
俺の葛藤の始まりだった。
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Hiromi(プロフ) - 5も楽しみにしてます♪ (2015年1月12日 21時) (レス) id: a5d103da5c (このIDを非表示/違反報告)
Risa(プロフ) - ゆなさん» ご丁寧に返信ありがとうございます!なんなんですかね〜!(笑)なにがNGなの!?って感じなんですけど(-.-)裏小説じゃないのにフラグ立てるのも嫌なので、文章消してフラグ外します(笑)。読んでもらえなくなるのは嫌なので…。レスありがとうございました! (2015年1月3日 22時) (レス) id: e7a29ba116 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな(プロフ) - 私が経験したNGワードは監きんとか自さつリスとカット、後は18禁のHワードじゃないでしょうか?しぬという漢字はどうだっただろ…見にくくてささみません。NGワードはコメントも無理みたいで (2015年1月1日 22時) (レス) id: d6eeececcd (このIDを非表示/違反報告)
Risa(プロフ) - ゆなさん» コメントありがとうございます♪臣くん、遂に爆発しちゃいましたよ(笑)。私も書いてて胸が痛いです(T_T)これからも応援よろしくお願いしますね☆ (2014年12月30日 19時) (レス) id: 5763bcfbd0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな(プロフ) - 臣くんの緊張が伝わってきてなんだかこっちまで不安になってきました(゜ロ゜どんな展開でも更新待ってますね(*´-`) (2014年12月30日 16時) (レス) id: d6eeececcd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Risa | 作成日時:2014年9月15日 12時