喧嘩 ページ11
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「もうAさんなんて知らないっ!」
そう言って楽屋から飛び出して行った吉野。
そしてため息をついて吉野の後を追ういっちゃん。
ごめんね、めんどくさいこと押し付けて。
はぁ、とため息をつきながらソファに横になる私の頭を壱馬はふわっと撫でた。
「北人とAさんが喧嘩って珍しいですね」
「……いっちゃんが吉野の所行ってくれて良かった」
「なんで?」
「壱馬に慰めて欲しかった」
「んは、俺北人に嫉妬されるわ(笑)」
ニコニコ笑いながら、私のお腹にブランケットをかける壱馬。
あー、やっぱり男前はわかってらっしゃる。
いつも以上にニコニコしてるのも壱馬の優しさ。
癒される。
「しんどいなら言えばよかったのに」
「だってさぁ、死にそうなのいつも1日目だけだもん。まさか2日目来るとは思わないじゃん」
「そりゃあそうですわ」
「しかも動いてた方が気が紛れるし」
「まぁそういう人もいますよね」
「壱馬はやっぱり大人だね」
「んふ、ありがとうございます、姉貴」
「前言撤回」
「ごめんなさーい(笑)」
ひひっと笑いながら、壱馬は優しくお腹を撫でてくれた。
あー優し。
飲みかけのホットコーヒー差し出してくるのはちょっと、とも思ったけど、壱馬だからいいか。
……いや無糖じゃん。
コイツ私がブラック飲めないの知ってるくせに。
やりやがったなコイツ。
くっそ、ニヤニヤしてんじゃねーよ。
「ほら、北人帰ってきたら寝かせてもらえへんで。先寝とき」
「確かに。またうるさくなりそうだね」
壱馬が私のお腹をトントン叩いてくれて、一気に眠気が襲ってきた。
「んふ、Aさん眠たっそーな顔しとる」
「壱馬ー、あたまいたいのー」
「「(Aさんが壱馬にデレてるっ……!)」」
「あらー、しんどいなぁ」
「だるくてうごけないの」
「そっかぁ。ゆーてもう動く機会ないけどな」
「んー、かずまぁ、」
「はぁいー。目ェつぶっててくださいねー、(笑)」
「……zzz」
「……、(苦笑)」
「「(キュン死。)」」
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作者名:L | 作成日時:2020年4月19日 18時