喧嘩 ページ12
.
「……北人さん」
「っ、びっくりしたぁ、(笑)」
探したんですからね、と俺の隣に座って缶コーヒーを渡してくれた樹。
「なんであんな怒ったんすか」
「超昔Aさん体調悪いの無理して倒れたの覚えてる?」
「あー、一気にみんな過保護になった事件ですね」
懐かしいなぁ、と缶コーヒーの蓋を開ける樹。
男前だなぁ、ほんとに。
「それがなんかあったんですか?」
「そん時は言うなって言われてたから言わなかったけどさ、Aさん捻挫したんだよ」
「え、次の日も普通に踊ってましたよね?」
「うん。それでまた無理して重症になっちゃって」
Aさんは絶対に多少の無理はする。
多分もうそれは言っても聞かない。
だから、行き過ぎる前に嫌われてでも止めないとまた前みたいになっちゃう。
「ならそういえばいいじゃないですか」
「だってさぁ、ランペってみんな過保護じゃん。今言ってもどーせギャーギャー言われるじゃん」
「でも北人さん普通にギャーギャー言ってますよね」
「まぁまぁまぁ。陸さんと壱馬と健太さんもギャーギャー言い始めたらさ、余計にAさん鬱陶しいと思うでしょ?」
北人さんにしては考えてるんですね、と鼻で笑う樹。
……鼻で笑われた。(2回目)
「じゃあ言いすぎてごめんなさいって言いに行きましょ」
「はぁい」
「「寝てるし。」」
「ごめん、俺が先寝ときって言うた」
まぁ壱馬らしいしAさんらしい。(?)
早く起きないかなぁー。
Aさんのほっぺたをぷにぷに触っていると、Aさんは一瞬顔を顰めてあっち向いちゃった。
「こら、ちょっかい出さないの」
Aさん疲れてるんだからね、と陸さん。
Aさん疲れてるの?初耳。
「……お前どこ触ってんの」
「おしり」
「殴るよ」
はぁ、とため息をついて伸びるAさん。
可愛い。
「……Aさん、」
「んー?」
「ごめんね、言いすぎて」
「……んーん、ありがとね」
ニコって笑うAさんが可愛すぎて、思わず抱きついたら頭をぶっ叩かれた。
ついでに樹に自業自得って笑われた。
勝手に笑っとけ!
「Aさん!お腹痛くない?頭は?喉は?熱は?大丈夫?」
「くっそめんどくさい」
「まぁまぁまぁ」
「Aさん、」
「こっち来んな、耳痛いわ」
「耳?耳痛いの?」
「口が滑った。どこも痛くない。頼むからあっちいっててくださいお願いします」
.
1676人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「THERAMPAGE」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:L | 作成日時:2020年4月19日 18時