姉さんと嫉妬 ページ28
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公園に入り、ベンチに座った。
もちろんふたり並んで。
俺たちは散歩している時、あまり会話は交わさない。
Aさんはいつもぼーっとして、遠くを見ているから。
その横顔を見ると邪魔しちゃいけないような気がする。
ベンチで、Aさんは目をつぶって背もたれに寄りかかった。
ふらっと公園に人組のカップルが入ってきた。
外国人っぽい男の人と、日本人の女の人。
……バレませんように。
お願いします、神様、
俺たちもうちょっとこうしていたいから……、()
あぁ、やだ、ねぇ、こっち来ないで、
気配を感じたのか、Aさんがパチッと目を開けた。
「っ、……吉野、行くよ」
Aさんはぱっと立ち上がって、俺の手を引いた。
と、その瞬間、斜め前から声がした。
「
……何言ってるか全然わかんない。
でもAさんすっごい嫌そうな顔してる。
「
男の人に何を言われても、一切口を開かないどころか目も合わせないAさん。
ボーイフレンドってことはカレシってこと？
え、この人元カレ？
その瞬間から俺の心の中はちょっとずつ黒くなってきた。
「行こ」
「元カレ？」
「……そうだよ」
早く行くよ、とAさんは俺の手を引いて、今度こそちゃんと2人の前から離れた。
元カレ、だった。
胸が痛い。
「……吉野？大丈夫？」
「ん、」
あぁ、思ったより声が低くなっちゃった。
素っ気ない返事になっちゃった。
Aさんがびっくりしてる。
「なに、元カレに嫉妬してんの？」
「別に、」
「アイツ、高校の時クラスメイトと浮気してたんだよねぇ」
だから思いっきりフッたんだ、と笑いながら言うAさん。
普通、未練があれば切ない顔をするもんだと思うけど、Aさんの表情には一切くもりがない。
俺だったらそんな悲しい思いさせないのに。
そんな想いはまだAさんには届かない。
いつか届けるから。
覚悟しておいてね＿＿＿＿。
.
終わり方……、
リクエストありがとうございました！
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作者名：L
| 作成日時：2020年4月19日 18時
