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「さぁ、…これで分かっただろう?あの男は正真正銘”人殺し”なんだよ。君のお姉さんもきっとこれで報われるさ」
手首を強く引っ張られる。抵抗する気力もない、僅かな痛みも今はどうでもよかった。
…お姉ちゃんは最期まで私のことばかり口にしていた。自分がどんなに残虐な殺され方をしても構わないとまで訴えたのだ。
それを踏みにじり、引き金を引いたのはーーーーーー
「人殺しだろうと何だろうと好き勝手呼ぶのは構わない。だが、それ以上その子に触れるな」
誰よりも憎い、彼のーーー降谷の声が頭上から響いた。
姉を殺した時と同じように銃口を男に向けて、殺気立った表情で静かに男を睨んでいる。
正面から向けられた殺意に男は少し怯えたが、すぐにまた薄い笑顔を貼り付けた。
「触れるな?どの立場で言ってるんだよ。お前が殺したから、彼女が今苦しい思いをしているんだ。僕はそれを救ってあげようと、」
「だからこそ」
「……だからこそ、俺が、
この子を守らなければならないんだ」
ーー降谷は男の胸ぐらを掴み上げて、怒りが露になった表情のまま苦しそうに掠れた言葉を吐き捨てた。
「それが…俺の背負うべき業だ」
ほんの一瞬。宝石のように綺麗な青い瞳が悲しそうに伏せられた。が、すぐさま呆気に取られた男の鳩尾に拳を入れ、気絶したその体を床に放り投げた。
銃の引き金は引かなかった。
「………」
恐ろしいほどに静まった空間で、やんわりと背中に手が添えられる。俯いた視界の中でしゃがみ込んだ彼の姿が見えた。
「……知ってたの」
「……」
「私が貴方を、ずっと恨んでたこと。
貴方を殺したがってたこと…ぜんぶ」
彼は言い訳も否定もせず、「あぁ」と小さく肯定しただけだった。
「だけど、僕は君を手放せなかった。
全部知らないふりをして、君を愛した」
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モミジ(プロフ) - この作品、最高です!この作品を読んで感動して泣きました。新作も読んで見ます!これからも応援しています! (2019年5月5日 16時) (レス) id: d4cb7d7d86 (このIDを非表示/違反報告)
ringo6349(プロフ) - こんばんは!完結おめでとうございます!ずっと私の中で物語を完結させたくなくて読めなかったのですが読めてよかったです。今回もとても素敵で好きなお話でした。本当にてなさんの書かれる物語が大好きです!忙しいので時間はかかるかもしれませんが新作も絶対読みます (2019年4月26日 22時) (レス) id: 66d3f8785b (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - 華さん» 嬉しい限りでございます…複雑な心境を書くのがすごく難しかったです。コメントありがとうございますー!! (2019年3月29日 14時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - すごいです…。私、占ツクの小説で泣いたの、初めてです。夢主の悲しみとか嫉妬心とかが分かりやすくて、一気に読んでしまいました。完結おめでとうございます!! (2019年3月28日 21時) (レス) id: 1c08efcab1 (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - 蓮-Ren-さん» ありがとうございます!そう言っていただけると凄く嬉しいです…(´∇`) (2019年3月27日 13時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:てな | 作成日時:2019年3月21日 16時