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ーーーーー…なんだか息ができなくて、苦しげな呻き声を上げながら目を開いてみれば。何やらモフモフとした白い毛皮が見えた。
「………ハロ、おはよう」
「ワンっ」
返事と共に尻尾をぱたぱた揺らされ再び目を閉じた。触り心地はいいんだが、ものすごく暑い。
「はぁ……」
何気なく寝返りを打ってみると、唐突に夫の顔が目の前にあって「どっ……!!?」と謎の奇声を発してしまった。…幸い起きる気配はなさそうだ。
『僕は今から君を抱く』
「……馬鹿なおとこ」
まんまと罠に引っかかってくれた。だけどまだ足りない。お姉ちゃんに対する気持ちは、このくらいでは到底足りない。
あと少しだ。彼が心の底から私を「愛してる」と思った瞬間、私は彼を躊躇なく殺せる。
(………、)
眠りこけている降谷の首に指を這わせ、そっと力を入れてみる。…いつか、彼の息の根を止める時が来るのだ。
「誰にもとらせない」
この男に愛されるのも、この男を殺すのも、私だけがいい。
「ん、………?…」
違和感を感じたのか、降谷が鼻にかかった寝息を立てて身じろぎしたので慌てて手を離す。
やがて再び大人しく眠りついた降谷に安堵の息をついた。
『じゃあA、私仕事行ってくるから。…最近不思議な子が転校してきてね。しかも名前も特徴的なの。”コナン”っていうんだって』
『コナン?……ホームズの?』
(………毛利蘭が言ってた子供の名前も”コナン”だった)
ふと思い出した、姉との会話。工作員だった姉が不思議な子とまで言うのだから、余程の変わり者に違いないだろう。
学校での姉はどんな様子だったのか、今度会って話してみるのもいいかもしれない。
「…………り、…」
寝ていたはずの降谷が、何やら寝言を言っているようだった。その表情は少しだけ苦しそうで、どこか悲しそうだった。
「…零さん?」
「…………」
「ーーーーーー……ひかり…」
この人は、お姉ちゃんにとって
どういう存在だったのだろう。
……To be continued
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HALO - お互い実力は認めあってますし大丈夫ですよ!!同じ似た境遇ですからきっと共有すれば乗り越えられる素敵な夫婦になれますよ♪♪ (2019年3月21日 0時) (レス) id: d6476dbe7d (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - HALOさん» そうですよね…!よいお友達になれそうです!きっと乗り越えられたら強い夫婦になれそうですね(´∇`) (2019年3月20日 23時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
HALO - 降谷さんもきっと誤解を知ったら赤井さんといい関係築けそうですよね!!だから夢主ちゃんも乗り越えて降谷さんと幸せになって欲しいなぁと思います! (2019年3月20日 23時) (レス) id: d6476dbe7d (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - HALOさん» ごちゃごちゃしてまいりました…wそうなんです!降谷さんが赤井さんをはちゃめちゃに憎んでいるのと似ているような感じにしたかったんです(語彙力)憎すぎて毎日降谷さんのことばっかり考えてたらいいなあとか思っております (2019年3月19日 17時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
HALO - 複雑になってますねw降谷さんもライが自殺を止められなかった事に対して殺したいほど憎んでいるのと同じな気もしますね!!夢主ちゃんが好きになってるなぁって思うし紙一重なのでしょうか? (2019年3月18日 23時) (レス) id: d6476dbe7d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:てな | 作成日時:2019年3月1日 0時