【降谷零】死ぬほど貴方が嫌いです、だから結婚してください【安室透】

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……暇。暇すぎる。フリーだ。





(…今頃、何してるんだか)




デリカシーのデの字もない奴のことだから、きっと｢すぐに帰ってくるだろう｣とかほざいて今頃普通に仕事してるんだろう。私は知っている。


別に寂しいとか思ってない。苦手な料理もする必要ないし、エプロンを身につけあらゆる家事をこなす必要もない。ついでに言えば、世界一憎いあの男と顔を合わす必要すらないのだ。




(もう三日たったし、そろそろ帰ってやるか)




なんとなく癪である。だがいつまでも意地を張っていては、ほとんどないに近い愛想を尽かされ、いずれは離婚エンドへと辿り着いてしまう。

……そうなれば、あの人を殺せなくなる。





｢赤井、……赤井？｣





夕飯の食材を買ってから帰ろう。せいぜい喜べ降谷零。お前の苦手な嫁の手料理が今日からまた食べれるぞ。


そうと決まれば、家出先の赤井に伝えなければ…と思い書斎を覗いてみたが、不在。リビングも寝室も同じく不在。





｢……相変わらず自由ね｣




どうやら知らぬ間に出かけていたらしい。声をかけるくらいしていったらどうなんだ。どいつもこいつも自由奔放に生きすぎだろうが。




｢お邪魔しました｣




合鍵は後で返しておこう。…取り敢えずここから一番近いデパートに向かうことにした。きっとスーパーも入っているだろう。





｢…………｣




今後、もしかしたら必要になるかもしれない。
彼のことだ。恐らく引き出しのどこかにでも仕舞っているに違いない。




(…あとで怒られないように、代わりのものをデパートで買ってこよう)




数分の議論の結果、私はとある忘れ物を取りにUターンをすることにした。



ｰｰｰｰｰｰｰこれを使う時。それは………

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