【降谷零】死ぬほど貴方が嫌いです、だから結婚してください【安室透】

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ーーシエスタ中のハロを一先ず寝かせておき、封を開けたままの手紙を拝見させてもらうことにした。

中身は、白い紙。そして写真だった。




｢………｣




………いやいやいやいやいや。





(…待って。ドラマとか少女漫画とかだけの話ならとにかく、………いやいや、……ありえない)





こんなあからさまな手紙現実に存在してたまるか。


写真は数枚入っていたが、全部私を盗撮したものだ。幸い着替え中だとかそういう類の写真ではなかったのが救いだろうか。



………いやいやいやいや。ドン引きである。





｢『拝啓 愛しき奥様へ。貴女ほど魅力的で聡明である女性は未だかつて見たことがありません。その魅力を全て僕のものにしたい、あわよくば………』｣




…その先は読めなかった。メンタル的な問題が生じたのだ。こんな卑猥な文章をよくもまあ人妻に送り付けられるものだ。


魅力的で聡明？そんなものは所詮あの男を殺すためのアクセサリーに過ぎない。





｢『ーーー…もし君がこの手紙のことを他の人にバラせば、君の周りの人間を、例えば君の旦那さんを殺してしまうかもしれない。賢明な判断を推奨するよ』｣




ここで手紙は終わっていた。成程、警察やご近所さんに相談でもしようものなら迷わずうちの旦那を殺すというわけか。

…………ほほう？






｢それは私への宣戦布告ということかしら……｣





ぽっと出のストーカーに奴を殺させてたまるか。降谷零を殺すのは私だ。

この世界で唯一彼が安心出来る居場所となり、その隙を突いて殺す…ようやく半年が過ぎた復讐劇を邪魔しようというのなら、こっちも容赦はしない。



正直盗撮されていたことは結構ショックだったが、
降谷が絡むとどうも頭が上手く回らなくなる。
今の私はストーカーへの恐怖よりも、降谷を先に殺されるという焦った気持ちの方が勝っていた。





(……どうにかこの男を捕獲しないと)





それがお馬鹿すぎる判断だとは知らずに、私は堅い決意をしてしまったのである。

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