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Furuya side



「バーボン、貴方随分酷いことをやってくれたわね」




作戦決行日。僕はバーボンとして
ベルモットをおびき寄せ、仲間が待つこの港で
彼女の身柄を拘束することだった。

変わらない美しい笑みを浮かべたベルモットは
大して思ってもいないような口ぶりでそう言った。




「…抵抗しないんですか?」

「……そうね。してもいいんだけど、
もう疲れたのかもしれないわ」




元々ベルモットは江戸川コナンと毛利蘭を
気に入っていて、ジンのように強い忠誠心や
残虐な殺人願望もあまり持っていなかったようだ。

逃げ回るのに疲れた、ということだろうか。
あまりに上手く行きすぎて妙にも感じた。






「………じゃあ最後に、佐々木Aの
居場所を吐いてもらいましょうか」





背後で拳銃を構えていた風見の表情が
少し驚いたものに変わったような、そんな気がした。

彼には少し前に佐伯Aと
怪盗アイリーンが同一人物だということも
彼女の過去も全て話している。


ベルモットは両手を上げて「あら、」と微笑む。





「あの女の居場所なんて知らないわよ。
…それよりバーボン、私なんかに
構っている暇はないんじゃない?」


「……どういう意味だ」









「ジンを知っている貴方なら分かっているでしょう?
血も涙もない、正真正銘の悪者。
早くヒーローが助けてあげないと……」





死ぬわよ。




あの時のように、ベルモットは僕にこう
言っているのだろう。『早く彼女を救い出せ』と。

…だが、彼女を救えるのは僕ではない。









.









「その心配は無用ですよ……
貴方の大切なアイリーンは、貴方達が
一番恐れているシルバーブレットが助けます」


「……冗談言わないで。私の宝物はあの二人だけよ」






自分を母親だと思って、「お母さん」と慕う彼女を
心のどこかで娘のように思っていたのかもしれない。
ベルモット頑なにそれを認めようとしなかった。







.

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ringo6349(プロフ) - 暫く占ツクを離れてましたが、久々てなさんの作品を読んで本当に良かったです泣 完結お疲れ様です&ありがとうございました!また降谷さんとの幸せな日々やジンに追われていた時の話などありましたら是非読みたいです!お体をお大事になさって下さい!好きが止まらない (2019年3月26日 21時) (レス) id: 66d3f8785b (このIDを非表示/違反報告)
いちごミルク(プロフ) - 完結お疲れ様です。面白かったです!! (2019年2月22日 21時) (レス) id: 74107eb362 (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - BARAPIさん» ありがとうございます!お薬のおかげで順調に回復気味です…!ある程度元気になったら番外編書きたいな〜って思っております!ひぇぇ嬉しい……感激です(*゚▽゚)ノ (2019年2月20日 22時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
BARAPI - お疲れ様でした!!体調大丈夫ですか?よくなったら番外編かいてくれると嬉しいです!!この小説も作者さんも大好きです! (2019年2月20日 21時) (レス) id: 281a5b8b80 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:てな | 作成日時:2019年2月16日 21時

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