【安室透】離婚した元夫と再会しました【降谷零】

epilogue ページ45

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you side



｢ｰｰｰｰｰｰで？無事復縁したそうじゃない｣

｢……｣



哀が窓に映る夕日を眺めながら面白そうに
私を見上げる。だが、今日はいつもと違い
｢ねえねえ｣と小声で話す声が聞こえてきた。



｢瑞沢先生再婚したんだって。よかったね！｣

｢マジかよ！ていうか結婚相手って
結局安室の兄ちゃんだったんだろ｣

｢安室さん、ポアロで騒がれてたよ。左手の薬指に
指輪が嵌められてたから…『やっと
振り向いて貰えたんです』って皆に言ってたな〜｣



一名明らかに私へ満面の笑みを向ける生徒がいるが、
今はそれよりも、羞恥心で
真っ赤になった顔を隠すのに必死だった。

｢貴方、案外可愛い所あるわよね｣と微笑んだ志保を
じっとりと睨めば、隣にいた江戸川君が
ははー…と乾いた笑みを浮かべた。




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『もう一度、僕の奥さんになってくれないか』



彼が緊張した表情で婚姻届を私に差し出してから
数日が過ぎ、再び彼の家に住むことになった。

少年のように頬を赤らめ
おずおずと私の顔を伺われて、もはや
断るだなんて選択肢すら奪われてしまった。





｢ｰｰｰｰｰｰ…おかえりなさい｣

｢……｣



仕事を早めに切り上げて帰宅してきたらしい。
拭いていた皿を置いて、何故か
茫然と私を見ている彼の元に近寄った。


｢…はぁぁあぁ……｣




長い溜息をつきこめかみを押さえたと思えば、
｢もう逃げてくれるなよ…｣とへにゃりと破顔した。
年甲斐もなく高鳴った胸を少し撫でる。




(きっと、彼も辛かった)




自惚れるわけではないが、彼がどれだけ
私を想ってくれているのかは重々承知している。
一人取り残された彼だって酷く悲しかっただろう。









(……ちゃんと、償わないと)





優しい彼に甘えてばかりでは駄目だ。

リビングのソファに腰を下ろした彼に
｢零くん｣と声をかけ、柔らかな眼差しで
顔を上げた彼の頬に指を滑らせた。







｢ｰｰｰｰｰｰｰ私、ずっと嘘をついていました｣


｢………え？｣








｢貴方の幸せを願っていながら、貴方が他の誰かと
幸せになることを心の隅で嫉妬していた。

……でも…もう嘘はつきません｣




｢誰かに、渡したくなんかない｣






ぽかんと開いた唇へ自身の唇を押し付けるように
合わせれば、ぽとりと一粒の涙を零した
零くんが無邪気な笑みを浮かべた。






｢ｰｰｰｰ俺だって、手放す気はないさ｣









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再婚した夫と仲直りしました

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