【安室透】離婚した元夫と再会しました【降谷零】

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…


デートでも職場でもパンツスタイルが
主なAは、何故か今日に限って
チェック柄のスカートを履いていた。


やめてくれ、目のやりどころに困る。





｢……安室さん。顔怖いよ｣



こうでもしない限り頬が緩んで仕方ないんだ。

コナン君に元太君へ浮かべていた
呆れた表情を向けられて、少し
落ち着こうと密かに深呼吸を行っていれば。




｢…これ｣



真っ先に僕の元へ歩いてきたAを
好奇心と疑問の目で凝視する子供達。

彼らに触れる様子はないのか、Aは
相変わらずぶっきらぼうにそう言って
紙袋をほぼ押し付けるようにして僕に渡した。




｢不本意ですが、看病してくれて
ありがとうございました。それから…今後
あのような訪問をするつもりなら引っ越しますから｣

｢……｣




彼女は、血が床につくのは嫌なので。
と最後に付け足し踵を返そうと背中を向けた。

……………ん？


どこか引っ掛るAの言い方に
目を白黒させていると、少しだけ
此方に顔を向けた彼女が小さな口を開く。








.








｢分かりませんか。貴方の血を見るのは
もう嫌だと言っているんです｣


｢………へ？｣




淡々と、堂々と言い放った
爆弾のような発言をゆっくりと咀嚼する。
破壊力が凄まじいあまり間抜けな返事をしてしまった。


フリーズする僕を置いて、｢では私はこれで｣と
彼女はポアロから颯爽と姿を消していった。


時差があって、歩美ちゃん達の
色めき立つ声に意識を引き戻される。




｢今のどういう意味だ？
安室の兄ちゃん怪我してんのか？｣

｢貴方の血を見たくないって言ってましたね…
お二人は以前から知り合いだったんですか｣

｢瑞沢先生、きっと安室さんのこと
好きなんだよ…！！｣




勝手に推理を始める彼らを慌てて宥めて
｢彼女は以前探偵のお仕事で知り合った友達だよ｣と
説明すれば、子供達は揃って口を尖らせた。




｢んなこと言って、もしかして安室の兄ちゃんが
先生の結婚相手なんじゃねぇのか！｣

｢それは無いですよ元太くん。
『結婚した人はどんな人だったんですか？』
って小林先生が瑞沢先生に聞いたら、｣







『靴下は裏返したまま洗濯に出して、
スーツもすぐ汚して駄目にする。我儘で生意気で
すぐに人の揚げ足を取る…子供みたいな人です』





｢器用で紳士な安室さんが
そんな人なわけないじゃないですか！｣








(………あの女…)




じっとりと目を向けてきた
コナン君の頭を柔く小突いた。

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