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「ーーーーーー今日の午前11時。
杯戸シティホテルのラウンジ」

「………」


「瑞沢先生のことが大好きな僕の友達が
言ってたんだ。"必ず彼女を取り戻しに行かないと
私が貴方を殺すわよ"…ってさ」





梓さんには僕が後で伝えとくよ?と付け足して
コナン君が身に付けていたエプロンを
自分に渡すよう片手を差し出してきた。



ーーーーーーー例えば、愚かなことをしでかし
自分の立場が危うくなる。

例えば、このまま平穏な一日を過ごして
近い未来優しくて素直な大和撫子と政略結婚をする。



勿論正しい選択は、取るべき選択はすぐに分かった。





「……コナン君。もしフラれたら慰めてくれよ?」

「うん!ワカッター」



なんとも言えない満面の笑みと棒読みの台詞に
心から感謝をして、結ばれたエプロンの紐を解いた。





┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


you side



「へえ…Aさんは小学校の先生を
していらっしゃるんですね。奥様の教養が
しっかり行き届いているからでしょうか」

「そんな、お上手ですね」



帰りたい。それはもう帰りたい。


一体どの面を下げて帰ってきたのか。
母親とも言えるか分からない彼女に
大人になった今でさえ逆らえず、

結局気持ち悪い微笑を浮かべる
見合い相手の元へ無理矢理連れてこられた。


警察関係の人間の息子と聞いていたが、どうやら
公安のかなり上位に立つエリートのようで
流石の"彼"もきっと大人しくするしかないだろう。





『………君が好きだ』




鬱陶しい自慢話や「君には仕事を辞めて
僕の妻として家庭を築いて貰いたい」と
さも当たり前のように話す男の姿を見ていて、

ふとあの人の言葉が頭をよぎった。




(……彼は、自慢話も…そんなことも言わなかった)




嫌気がさすような自慢話なんて一切しなかった。
結婚する時だって、学校の先生を続けたいと言った
私をキョトンとした顔で見てこう言ったのだ。




『君から君の好きなものを取り上げるわけないだろう。
まあ流石に俺が家にいる時は構って欲しいが…』






「……ごめんなさい。気分が悪くなったので
少し外で風を浴びてきます」





男が喋れば喋るほど、彼の笑った顔や怒った顔を
思い出してしまって気が狂いそうだった。



彼の手をもう一度拒絶したのは、私なのに。

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てな(プロフ) - まゆさん» わーありがとうございます!気づくの遅くなってすみません…!感動していただき嬉しみです(´∇`) (2019年3月10日 22時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 完結おめでとうございます^_^面白かったです^_^最後は、すごく感動しました!これからも、頑張って下さい^_^ (2019年3月7日 14時) (レス) id: 406c27ad01 (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - かずささん» ありがとうございます!結構端折ってた部分もあったので過去エピソードとか結婚後のお話を時間があったら書いてみたい!!と思ってます(゜▽゜) (2019年2月1日 23時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - れいさん» ぴえありがとうございます〜!50話を超えてしまったので気が向いたら続編を作ってみたいなとか思っております… (2019年2月1日 23時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
かずさ(プロフ) - 私も結婚後の生活の話が読みたいです!できるならお願します! (2019年2月1日 22時) (レス) id: 189adfe0dc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:てな | 作成日時:2019年1月20日 0時

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