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人見知りが激しい、と先生が言っていただけあって
転校生として紹介された彼女が、周りの生徒に
心を開く様子はまるで見られなかった。
寧ろ大人しく素っ気ない彼女は
仲間外れにされてばかりだったのだ。
(ーーーーーー……?)
いつまでもクラスに馴染めない彼女を休み時間に
何となく目で追ってしまって、異変を感じ始めた。
(ガーゼと包帯…転んだのか?)
頻繁に、頬に貼られたガーゼや
手首に巻かれた包帯を見る時があった。
それも一回二回ではなく、何度もである。
痛々しいあざが袖から覗いていたり、
学校を遅刻して来たり。おかしいと思った僕は
取り敢えず幼馴染である景光に相談した。
「なあヒロ、アイツの事なんだけどさ。
……ほぼ毎日怪我するのっておかしくないか?」
「まぁ確かに…もしかして喧嘩とか」
「先生に怒られたことも無い
あんな真面目な奴が
喧嘩なんかするわけないだろ…」
それもそっか、と笑う景光に呆れてみせる。
いくら自分のことを馬鹿にされても
顔色ひとつ変えなかった彼女が
喧嘩をするイメージはなかった。
(………)
気になる、無性に。
今日も今日とて彼女は誰とも話さず
本のページをめくっている。そんな彼女を
睨むように見つめて必死に頭を巡らせた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
you side
「折角だし、貴方達の
馴れ初めとやらを聞いてみたいわ」
久々に話をしたい、と哀から誘われて
阿笠邸に訪れていた。昔から生のセロリを
齧っていた彼へお礼の品を渡した後で。
ぶどうジュースが入ったワイングラス片手に
そう尋ねてきた哀を無言でじとりと見れば、
「別にいいじゃない」と笑って返される。
「もう離婚したんでしょう?
それに、ある程度の守秘義務は守るわよ」
「……面白くも何ともないわ」
「あら、実験が趣味の貴方が
結婚しただけでも相当面白いと思うけど」
小生意気な哀が珍しく
興味津々な顔をするものだから、
少し口が緩んでいたのかもしれない。
ーーーーその顔は、彼女の姉である
宮野明美に酷似していた。
(……彼との、馴れ初め)
恐らく嫌われていたと思う。
あの頃の私は今以上に人が嫌いで
誰も信用出来なくて、誰もが怖く見えたのだ。
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てな(プロフ) - まゆさん» わーありがとうございます!気づくの遅くなってすみません…!感動していただき嬉しみです(´∇`) (2019年3月10日 22時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 完結おめでとうございます^_^面白かったです^_^最後は、すごく感動しました!これからも、頑張って下さい^_^ (2019年3月7日 14時) (レス) id: 406c27ad01 (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - かずささん» ありがとうございます!結構端折ってた部分もあったので過去エピソードとか結婚後のお話を時間があったら書いてみたい!!と思ってます(゜▽゜) (2019年2月1日 23時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - れいさん» ぴえありがとうございます〜!50話を超えてしまったので気が向いたら続編を作ってみたいなとか思っております… (2019年2月1日 23時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
かずさ(プロフ) - 私も結婚後の生活の話が読みたいです!できるならお願します! (2019年2月1日 22時) (レス) id: 189adfe0dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:てな | 作成日時:2019年1月20日 0時