【名探偵コナン】プリンスはマドンナが好き【降谷零】

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…

you side


「妙に優しく私を抱き締めやがって…
うぁぁ思い出したら腹立ってきた！！！！」


「…はぁー…」



ベルツリー急行での奴の匂いが
まだ付いている気がしてならない。
臭いどころか逆に
私の好きな匂いだということがまたムカつくが。

哀ちゃんに愚痴を零していれば、
また先日の出来事が鮮明に思い出された。



＿＿＿あろうことか、無事哀ちゃんを
コナンくんの母親"有希子"と名乗る女性に
保護してもらったその後。

奴、降谷は突然現れて突然私を抱き締めたのだ。
ハグなんて挨拶じみたものじゃなく、
性的な抱き締め方で。


助かった、なんてことを言っていた気はしたものの

自分がしでかしたセクハラ行為に
やっと気付いたのか、私の顔を恐る恐る
覗き込んだ降谷の頬を思いっきり引っぱたいた。

A、と引き止める声を無視して
電車を降りたのだが。





「………何？」


「別に？安室さんも不憫ね」


「は？何処が？逆にあの男と偶然出会う
確率が高すぎる私の方が不憫だと思わない？」


「分かってないわね……、まぁ昔から、か」




妙に哀ちゃんは疲れた顔付きで
私の顔を見てはため息をつく。
いやなんすか、と顔を顰めていれば

博士と話していたらしいコナンくんが
ちょっと、と私を呼んだ。





「Aさん。…安室さんとは
古い友人だったよね？……」



「……？」




確かに、彼らにはそう伝えてある。
降谷はある潜入捜査をしていると言っていた。

だから本名が降谷零であることも
一応隠してやっているのだ。感謝しろクソゴリラ。


そして、今回の作戦……工藤有希子やら
怪盗キッドやらを混じえたメンバーの協力の元
無事哀ちゃんを保護出来たことと並行して、

組織の探り屋バーボンの正体が判明したという。





コナンくんはつい先日、
ニヤリとこう言って笑っていた。






「＿＿＿今回の作戦の収穫は
ポアロで働いている安室透が、
バーボンだったって事だな」

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