【HQ】マネージャーなんかやりません (ページ6)

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明日は絶対行かないページ6

「松川くん！どういうこと！？」
「ん〜？」
その日の帰り道、何が？と何も無かったかのようにとぼける松川君に私は詰め寄った。松川君だけじゃない、何故か自分は関係ありませんみたいな顔をしている3年生全員に詰め寄った。みんなして私に「期間限定！今日1日！」とか、胡散臭いセールスの売り文句のようなことを言っていた気がするのに蓋を開ければこれだ。
「特に及川君…！2年生の子の勘違い直してくれなかったでしょ！」
「違う違う！矢巾、珍しくウキウキしてたからさ。俺後輩には優しいほうなんだよね！勿論その他にも優しいけど」

否定したら可哀想じゃんっ！と星が飛んでくるようなウインクをかましてくる妙に整った顔に少しだけ腹が立ったのは秘密だ。あれは後輩を気遣った嘘じゃなくて明らかに私をマネージャーに引きずり込みたくて付いた嘘だもん。

「と、とにかく私、もうマネージャーはやらないよ？みんなには悪いけど他の人探した方がいいと思う！」
「なんか嫌な事あったんか？」
「え？それは…ないけど」

じゃあ別にいいだろと岩泉君が冷静に説得してくる。あのね…体力があるみんなには分からないけど、すっごく疲れるしギャラリーの女の子からは睨まれるし何より距離が近いし！とにかく楽しさよりも辛さが先行してしまう。観客席でみんなを応援させて貰うくらいの距離が私にはちょうど良いのだ。

「ど〜しても？」
「どうしても」
首を捻った花巻君が閃いたかのように口を開く。

「明日も来てくれたら、今日及川がコンビニのもの何でも奢ります」
「ちょっとマッキー！？」
「なん……でも…！？」
ビリリ！と衝撃が走って動けなくなった私の肩を及川君が揺さぶる。違う違う！なんて叫ぶ声も耳に入らない。

「おいうんこ野郎、それが仕事頼む態度か？大人しく俵屋に奢ってやれ」
「みんなに優しい及川君…なんでしょ？」
「話が違うって！ちょっ、コラ！財布取るな！まっつんコラ！！」

何買いたい？俺も1個プレゼントするから。と及川君の財布を開けた松川君に微笑まれたら、私なんかはただ首を縦に振ることしか出来なくて。

「…プリン。」
「そんだけ？もっと我儘していいよ」
「ブラウニーも、美味しいやつ」
「ん」
「まっつん！！カッコつけてるけどそれ及川さんのお金だからね！？！？話聞いてる！？」

明日もマネージャー、ちょっとだけ頑張るかな。