検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:9,449 hit

4話 BOSS SECRET ページ5

空を切る音がした。


もう、どうにでもなれと思う。俺はこれまで何も悪いことをしてはいなかったのだから。本当に女であることを知らなかったのだから。

俺は何も悪くは無い。






「芥川くん?何をしているんだい?」
この声音で空気を切る音への解釈が変わった。

運動ができる若い人間が多く集まるポートマフィア。ここで、低く落ち着いていて、それでいて人を従わせる声。首領であった。


空を切る音は芥川の異能に関するものでは無い。ピンチ脱出の合図であったのだ。


太宰と俺と2人に話す前に伝えたいことがあると首領は言いながら、芥川をドアから遠ざける。



芥川が離れたのを確認してから、
「入っても大丈夫かい?」と優しく声をかける。

鏡の前でもう一度身だしなみを確認してから、首領の待つドアの鍵を開ける。




首領は柔らかな笑みを浮かべている。その手には、桜を思い浮かべるような服を持っていた。それはエリス嬢用にしては大きい。

首領「もう気づいたのでは無いかと思ってね。」

首領は服を広げる。少し短めのワンピース。シンプルで上品さがありながら華やかであった。

目を大きく開ける。首領は医者であるのだから女だと分かるのは当然だが、なぜ今日女であることを気づくと分かったのだろう。



もう一度微笑まれる。

首領「気づいてしばらく落ち着いてから言おうと思っていたのだけど、生憎君に女になってもらわないとすまない任務が出来てね。」

目を大きくひらく。それはつまり、ハニートラップということであろうか。




首領「ふふ。流石に最初から甘い罠にかけてもらう気は無いよ。仕事ばかりで恋愛もなかっただろうからね。」

太宰くんと話す部分と重なってくるから、と首領はここで話を切った。

そんなこと言われてもと思っていると、先程のワンピースを渡される。






これを着てから部屋に来いということか。

この服を着ると、太宰にどう言われるか分からない。

もし変だと言われたらどうしようか。

気持ち悪いと言われたら立ち直れないかもしれない。


…怖い。怖い。今更であるが、嫌われたくは無い。








だが、俺は首領の最後の言葉にかけてみることにした。













「案外私と太宰くんは似ているところがあってね、分かることも多いのだよ。例えば、その服を着た美しい君に魅了されることとかね。」

5話 魅惑の美女→←3話 疑問を抱きしめて



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (50 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
73人がお気に入り
設定タグ:太宰治 , 文豪ストレイドッグス , 文スト   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

こんふぃでっ!!(プロフ) - 眠る猫さん» ありがとうございます!! (2023年1月27日 16時) (レス) id: dbf81f6428 (このIDを非表示/違反報告)
眠る猫 - あああ,,,もう好きだわ,,,更新楽しみすぎる (2023年1月25日 22時) (レス) @page7 id: cd1a79a794 (このIDを非表示/違反報告)
こんふぃでっ!!(プロフ) - 水瀬琥雪さん» ありがとうございます!!面白い作品を更新できるよう精進していきます! (2023年1月23日 15時) (レス) id: dbf81f6428 (このIDを非表示/違反報告)
水瀬琥雪 - めっちゃ面白かったです!!成り代わりって、前世にアニメとか見てていきなりとかありますけど…これはいきなり思い出す系でとてもいいなって思いました!更新頑張ってください!! (2023年1月23日 7時) (レス) @page4 id: 27e17eb645 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:こんふぃでっ!! | 作成日時:2023年1月22日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。