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また音は分からないのに意味はわかる、気持ちの悪い問いかけ。



《私はただ、この星を守りたいだけ》


「呪いの戯言だ。耳を貸すな」


「低級呪霊のソレとはレベルが違いますよ」



攻撃もせず、特級呪霊は語り続ける。



《森も海も空も、もう我慢ならぬと泣いています。これ以上人間との共存は不可能です。星に優しい人間がいることも彼らは知っています。しかし、その慈愛がどれだけの足しになろうか》



森林伐採、海水汚濁、大気汚染…例をあげればキリがない、現代社会の問題。



《彼らはただ時間を欲している》


「独自の言語体系を確立してるんです」


《"時間"さえあれば、星はまた青く輝く》


「…狗巻を下がらせろ」



その時、一瞬私の脳裏に浮かんだ光景。




森に囲まれた平屋。
百合が見える縁側。
誰か、誰かがそこに__


私はこんな光景しらない。こんな家は住んだことない。


なのに、なのに何故。
こんなにも懐かしく感じてる…?




《人間のいない"時間"。死して、賢者となりなさい》




私の脳裏に浮かんだ光景、そのことを考えてる時間は、特級呪霊の猛攻によりなくなってしまった。





.







建物の中に入ってひたすら逃げて、攻撃してを繰り返す。





「大丈夫ですか、狗巻先輩」

「しゃけ」



とげ御用達ノドナオールを飲みながら答える。



「来るぞ!」



飛ばされてきた木が一直線に私たちに向かって鋭く伸びる。



「" 止 ま れ "」

「百斂、穿血!」



ピタリと止まったその隙にのりとしが攻撃を打ち込み、それは相手の目の木を掠める。




「傷、つけた…!」


「俺と戦った時は全然本気じゃなかったのか…」


「急げ、どうせすぐ治してくる」


「ゴホッ…」




新しいノドナオールをとげが一気に飲み干す。


今はとげが動きを止めて私たちで攻撃することで、均衡が取れてる。
けど、とげの呪言だって絶対じゃないし、限界だってある。
さとるとかに連絡したいけど、そんなことをしてる隙がない。



どうしよう、それにほかのみんなは…?




「一旦外出るぞ!A、足大丈夫か?」




こくりと頷いて、外へ飛び出す。
最初の時に太腿が切れてずっと血が止まらない。



それに呪力ももう底をつきそう。
赤帝たち五帝をずーっと出しっぱなしにするのは辛い。今、赤帝は構築を解除しているおかげで、まだ呪力に余裕はあるけれど、あと1回五帝を構築すれば呪力がほとんどなくなる。…危険な状態。

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作者名:さんめーとる | 作成日時:2021年3月8日 18時

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