エーミール ページ7
「こ、これは……ええ……」
私の前には蝋燭、蝋燭、蝋燭、1つ飛ばして、蝋燭、蝋燭、蝋燭。
1つ飛ばしたのは私の愛する彼女であるAさん。
謎の状況が出来上がったのは数刻前の事。
『ねぇエミさん！ちょーっとSM興味無いですか？』
「んっえっ！？SFではなく！？」
唐突な彼女の発言にエーミールは紅茶を喉に詰めかけた。
「あれですよね？縄とか蝋燭とかの」
『私さ、良い蝋燭買ったから試したいと思って！』
「えぇ……私火傷はしたくないんですが……」
『違うよ！私がされる方！』
「ｴｪ!!??」
間抜けな声が部屋に響く。
蝋人形にしてやろうかという言葉を聞く事はあっても、自分から言い出すのが彼女とは微塵も思っていなかったエーミールであった。
《エーミール目線》
【蝋燭をかけられたい】と言う彼女は私の前に蝋燭を並べる。普段見かけない太いもの。
『この赤いのがオーソドックスなやつ！白いのがそれよりも熱いやつで……』
説明しながら彼女は次々と出してくる。何本あるんだ。
『はい！これ説明書！』
そう言って彼女は私に説明書を渡す。
本当にやるのか……。
『はい！私ここに寝るから、お願いします！』
そう言ってAさんは床に寝転がる。
《A目線》
「火傷……しないんですよね。大丈夫ですよね。」
彼は心配そうに言う。
彼は不慣れな手付きでいつも使っているライターで蝋燭に火を灯し、説明書通り蝋燭を溶かす。
ビクビクとしながら私の太腿にかけた。
『ん゛っあぁあっ！！」
「だっ大丈夫ですか！？」
心配性で優しい彼は私の快楽の声の度に心配そうな声を出した。
……何分？何時間？経ったんだろう。
『あ゛っぅあ』
『熱っ』
『ぁあああっ！！！』
彼は一向に辞める気配が無い。
むしろ
「成程、これはさっきのものよりはあまり熱くないものと。なら……」
私の声を聞きながら説明書をずっと読んでいる。
『エ゛ミ……さ……もう……あ゛ぁ！！』
また新しい蝋燭がかけられる。
「ん？あぁ、もう少し耐えて下さい。まだ使っていないものがあるんで」
私を研究対象であるかのように、実験するかのように蝋燭に火を灯して溶かしてはかける。
私だけではなく、床も蝋燭まみれだ。
彼は読み終わった説明書をテーブルに置き、倒れ伏す私の顔を見る。
「おかしいですね。顔にはかけてないのに真っ赤だ」
「次は顔を見ながらやらせてください」
タバコ1本よりも、蝋燭1本使い切る方が長い事を実感した夜だった。
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みぃ - 神作品に出会ってしまった (2022年10月22日 21時) (
レス) id: a481beec96 (このIDを非表示/違反報告)
屑房(プロフ) - 大変お久しぶりです。覚えてる方いらっしゃるかな……。ほんとに久々に書きました。仕事中に降りて来たので書かねばと。本当にぼちぼち更新していきます。 (2022年9月15日 21時) (レス) id: f44d74b561 (このIDを非表示/違反報告)
猫のるなさん - shp君が推しなんで、サイコー過ぎる！ (2022年3月26日 19時) (レス) @page8 id: 928b6badfd (このIDを非表示/違反報告)
コーヒーゼリー(プロフ) - やばい、好きすぎる。どうしよう個人的にはshp君が好きですわ (2021年10月7日 20時) (レス) id: be3c778e2d (このIDを非表示/違反報告)
人間 - すみません、取り乱しました。丁寧な表現と解釈が自分にとってはど真ん中過ぎました。個人的にshpくんがかなり好きで何回も読ませて頂いております。ありがとうございます。 (2021年7月4日 20時) (レス) id: 5e6aaa864f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：屑房 | 作成日時：2019年12月15日 23時
