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それから、ツアーが始まったのを機に俺は

海外にギターと最低限のもんだけを背負って逃げた。

6人を見るのがしんどかった。

もちろん1人は孤独で、いつも賑やかやった所からいきなり離れると

寂しさだけが残って、どうしようもない気持ちになった。

でも、1ヶ月も離れると持っていた鎧が消えたように

身が軽くなり解放された気持ちになれた。

横とも雛ともたまに連絡は取れるようになった。

やけど、送ってきてくれたDVDの映像は開封することはなかった。

6人の関ジャニを見るのが辛かった。

そして、それを置いてアメリカに立った。

無性に、Aに会いたかった。

どこに住んでるかわからん。

会えるかどうかわからんし電話番号やって

何年も電話してないから変わってるかも知れへん。

それでも、あいつらから離れてて俺を知ってるあいつに会ったら

気が楽になる気がした。

でも、着いてすぐに荷物を取られ唯一の希望も絶たれた。

でも、それはあいつらと繋がる手段を絶ってくれたことも意味した。

それから、無事Aに会え、忙しい音楽三昧の生活で

日々充実して忘れられてた。

でもそれも限界やったのかも知れへん。

Aは俺が独立のことも何も言わなかったことに対し

何も触れなかった。

ただあいつらが居なかったことになってたり

話すとタブーとかじゃなく

昔話も、横と雛と連絡を取ってるって話も普通にした。

だから俺としてはすごい楽に居れた。

それからずっと甘えてた。

何も言わないから、あいつも何も知らないんじゃないかと希望を抱いてた。

誰も何も知らなければ自分が傷つくことはないから。


でも、

「あ、そや。携帯だけさ、見つかってん」

俺がそう言った時、わざわざ作業を止めこちらを見て

明らか動揺した感じがあった。

『え…、よ、かったやん。』

「…うん、」

それから、特に俺はそのことに触れず仕事を続けたけど

Aはすこし浮かない顔をして何か聞きたい様子やった。

きっと、だいぶ前からAは知ってたのだろう。


それからなんとなく怖くて携帯の電源は切ってた。

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作者名:kameco | 作成日時:2019年8月2日 0時

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