センパイ！

風邪っぴきの後輩くん ページ8

なんでだろ


自分も1年前はここのフロアを使っていたのに学年が変わると一気にアウェイ感


若ささえも感じて2年生がキラキラして見える



昨日お借りしたマフラーを黄乃くんに返しに来た



彼は確かE組…



教室をのぞいて見る



『あ、いた』



窓際の後方の席に黄乃くんをみつけた



頬杖をついて外を見ている彼はこちらに全く気づかない



『あ、ごめんなさい。3年のAといいます。

黄乃くんを呼んでもらえますか？』


近くの男子生徒に声をかけた



「おーい、るぅちゃん！先輩きてんぞ」


こちらを見た黄乃くんは目を輝かせて立ち上がった



あれマスク…



「センパイ！どうしたんですか？来てくれたの初めてですよね？すごい嬉しいです！」



『いやあのマフラーを返しに…ね、風邪ひいたの？』



「あー。ちょっと喉痛くて。」



『寒いのに私がこれ借りちゃったからだよね？！ごめん』



「ちがいます！本当は昨日から違和感あって。だからセンパイのせいではないです」



そんな素ぶりなかったじゃん



どんだけ優しいの？



『本当ごめんね』



「本当にセンパイのせいじゃないんです


ん？これは？」



マフラーと一緒に入れた小袋



『あ、よかったら食べて。お口に合うかどうかわかんないけど』



お礼がしたくて作ったクッキー



「うわぁ！超うれしい！え、もったいなくて食べられません…」



『いや食べてよw』




「ですね…笑」


「ほい、みんな席つけ〜。お、A！後輩いびりか？」



『は？ちがいます』



「笑 ほら、チャイム鳴るからお前も戻れ」



元担任に揶揄われ、私はフロアをあとにした

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