世間では桃色王子とか言われてるけど私にとっちゃただの腐れ縁

打ち明ける ページ37

「おやすみ」


床に敷かれる布団に横になったさとみ




『うん。おやすみ』






……。





『いやいや、さっきのあれなによ？』




寝かせないよ？



『あんたあんなことしてしれっと寝るつもり？』




「明日早い」




『ふざけんな』




「なによ」




『さとみ最近おかしいよ、さっきだけじゃない。

その…別れてよとか、手握ってきたりとか』



言ってて自分も恥ずかしくなる





「…べつに。まんまだけど？」




『はい？』




「彼氏がいんのも気に食わねーし、家の前でチューとかも許せねえよ」



『なっ、なんであんたにそんな事言われなきゃなんないのよ』





「…鈍感。どこが“その手の勘は働く”んだか」





「もういいわ、マジ寝る」




なんだよこいつ




意味わかんないことをつらつらと…







『ひとつだけいい？…うそついてて悪い。私は、詩央里くんと付き合ってない』




「……あ？」




『あんたがおまえに彼氏なんか出来ないとかいうから、そのつい…』




「ほー、悔しくてしおりを擬似彼氏に仕立て上げたわけかw」



さも可笑しそうに笑うさとみ



「おまえさぁ、w」



『なに』



『ウケるwww』




くやしい、でも好きなだけ笑ってくれ



「Aさぁ、見栄張んなよ〜」




『うっさい！でも付き合って欲しいって言われたのは事実だもん』



そうだよ、全くのうそじゃない！


キスだって…





「付き合うな」



『え？』



「断れよ、そんなもん」



『なんであんたが決めんのよw』



「お前は、」




『…なによ』





「俺がもらってやる」

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