世間では桃色王子とか言われてるけど私にとっちゃただの腐れ縁

気まずいのです ページ35

「あははは！それマジ？」




玄関に入ると、リビングからさとみと父の笑い声が聞こえてきた



私はリビングに行くのを躊躇った


わたし今どんな顔してる？



詩央里くんとのやりとりを思い出す




“A好き、ねぇキスしていい”





そう言って、私の返事を聞く前にキ…



母「あらおかえり、そんなとこでなにやってんの？」



『あ…うん』



母「あんたも飲むでしょ？早く入んなさい」



母に促されてリビングに入ると、さとみと目が合った



「おかえり」


『うん』



思わず目を逸らす



さとみに対してやましいことがあるわけじゃないが、今はなんとなく気まずいというか、、



母「しおりくん何の用だったの？」



お母さんって本当余計なこと聞くよね



皆が一斉にコチラを見た




父「しおりくんが来たんだろう？こんな時間に急ぎのなんか？」



そんな気になる？


娘のそんなん知りたい？？







『あ、ん。ちょっと』



頼む、察して何も聞かないでくれ…





強い目線を感じてそちらを見るとまたさとみと目が合った



なにかを見透かそうとする目にどうしたって耐えられない



やっぱり目を逸らしてしまった




「…A」


『え？』


「あ、いやなんでもない」




なに？なんだよ

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