世間では桃色王子とか言われてるけど私にとっちゃただの腐れ縁

こたつの中 ページ26

「りっちゃん、この前は飯ありがとう」


久しぶりに我が家に来たさとみ


コタツで母と私とさとみの3人でクッキーをつまむ




レコーディングとライブのリハーサルが重なってしんどかったんだよと母に話しているさとみ




母「さとくんが身体壊したらあなたのお母さんに申し訳ないよ」



「なんでよwもうガキじゃないし自己責任やろ」



そうは言っても私には近くにいる責任があるのなんて母は言っている






“別れればいいのに”

“別れてよ、しおりと”



あの、幼馴染が発した不気味な言葉の真意は聞けずにいた



“なんてね”



その一言でツッコむ機会を絶たれたのだった



本当は付き合ってなんかない、私も真実を話すいいチャンスだったのにそれをしなかった




当の本人はなにごともなかったように涼しい顔






目的なくただついているテレビではお笑い芸人がゲラゲラと笑っている





さとみの方をチラチラ見ていたことに気づいたのか目が合った



思わず顔を反らす





『！？！』




コタツの中に入れていた手が握られた



へ？！



お母さん…んなわけないよね




とい面に座る母に気づかれないよう、手を解こうと頑張るけれど


男子の力には敵わない



諦めて力を緩めると、さらに指を絡ませた形に持ち込んできた






母「あはは！見て、このひと面白い」




母がテレビを見て笑うけれど、私はそんなの頭に入ってこないよ



　


「な？おどおどしてるとりっちゃんがおかしく思うよ」


さとみが耳元で囁く



テレビに夢中な母は気づく様子はない





キッと睨んでやると



勝ち誇ったように笑うさとみ




こいつ、マジおかしい



やっぱりあの日の熱で頭が壊れたに違いない…




絡まった手にじっとり汗をかいた

作者より（飛ばしても大丈夫です！）→←ちまよったか？さとみ

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