世間では桃色王子とか言われてるけど私にとっちゃただの腐れ縁

ちまよったか？さとみ ページ25

目の前で黙々とご飯を頬張るさとみを


私は頬杖ついて見ていた



「ね、あんま見ないで」



お。



『ごめん』



立ち上がり、洗い物を始める







「…こいつなんで抱きしめてきたんだ？」




『え？』




「そう思ってんだろ？」




だってそりゃそうでしょ、あの不可解な行動をサラッと流せる人いるの？





「ごめん忘れていいや」




『はあ』




普通の男女なら“忘れて”で済まされないかもしれないが

言っても私とさとみの仲。





『きっと忙しすぎておかしくなったんだよ』




「かもな」




『仕事で忙し過ぎて疲れたから腐れ縁を抱きしめる、


そんなおかしな構図を受け入れられるのは私くらいだぞ？』



私は笑った




『やだあ！ちょっとドキドキしちゃったしぃw』




おどけて見せる






「……に」



『え？』



聞き取れなかったさとみの言葉



さとみの顔を見る



手元の箸を見つめていると思えばクッとこちらを見た




『どした、』


「彼氏と別れればいいのに」



……





「別れてよ、しおりと」

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