世間では桃色王子とか言われてるけど私にとっちゃただの腐れ縁

幼馴染を待つ ページ23

母「最近さとくん来ないね」



『そう言われれば』



最近、テレビや雑誌でよく見かける



あんなに毎日来ていたのにここの所パタリと来なくなった




母「また忙しくしてんじゃない？身体平気かな」



メッセージを送ってみたがなかなか既読がつかない





母は親友の息子が心配でしかたないみたい


まあ、ほぼ我が子みたいな関係だからね






母「ね、様子見に行こうかな？」




『平気だよ。あいつもかなりの大人だよ？w』




母「でもこの前の高熱のこともあるしさ…」



心配性の母、困る




『わかったわかった。私行くよ』




•



母から持たされた煮物やサラダを持ってさとみのマンションまできた



インターフォンを鳴らしてみるが応答がない



鍵も返してしまったし、さてどうしよう




一度帰ればいいのだけどまあ少し待つか





エントランスを出てマンション前のちょっとした段差に腰を下ろした






『うーさむっ』




近所過ぎて薄着で来てしまった



スマホを確認したがまだメッセージは見られていない






カラダが芯まで冷えてきた



ドアに食べ物かけておくのもなんだかね




…ってかそもそも帰ってくるのかもわからないじゃん




『んー、ひとまず帰るか』


立ち上がったまさにそのとき、




「A？」



タクシーからさとみが降りて来た




「寒いのにおまえなにやってんの？」




さとみ、かなり疲れた顔をしている




『最近顔見せないからさ、母さんが心配してて』


惣菜が入った袋を見せた





「…さんきゅ、ありがたい。寒いからうちで話そう」




さとみどした？元気ないじゃん

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