世間では桃色王子とか言われてるけど私にとっちゃただの腐れ縁

丁重にお返しいたします ページ21

『さとみ』



例の如く、ご飯を食べに来ているさとみに私は話しかけた




「あ？」




『これ』



小さな巾着を目の前に出した




「なんこれ」



さとみは紐を解き、中をのぞいている





「…うちの鍵やん」




『お返しする』




「は？」





私はこれを渡された時なぜ気が回らなかったんだろう



これを持つのは私じゃない、彼女さんだと




『万が一よ？何かを頼まれて私がさとみんちに行ってる時に彼女さんと鉢合わせしたら？そんなの修羅場じゃん。』




「気にすんなよそんなもん」



『気にするよ！私ならいや。私がさとみの彼女なら発狂しちゃう』



「……。」






「これお前作ったの？」



『うん。不恰好だけど』



裁縫は得意じゃない。でも無くしたら大変だからと作った巾着




「ふっ、確かに不恰好やなw」



『うっさいな。もうっ、中身だけ抜いて巾着は捨てていいから』




「いや、捨てるかよ！可愛いじゃん。俺の色のピンクだし」



そう、いくつかあった生地から選んだピンク色はさとみにちなんだものだった




『さとみの色』






「お前、」



『なんだよ』





「俺のこと好きやろ」




『は？』





めっちゃ見つめてくんじゃん、、





「すきやんな？」



『ふざけんなよ？ぶっとばすぞ』



「こわっwww」

詩央里くん→←素敵なひと…

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す