世間では桃色王子とか言われてるけど私にとっちゃただの腐れ縁

幼馴染の恋愛事情 ページ17

さとみに誘われて焼肉を食べに来ている



看病のお礼だってさ




大好きな焼肉にお酒





気を遣わなくていい幼馴染、最高じゃん






「がはははは。マジたのし」




それはさとみもそうらしい。だいぶ酔ってる





「ねぇAちゃん」



『あ？』



「シオリくんとはうまくいってんの」




この手の話を引っ張り出してくるのはさとみの酔っぱらいポイント





『なんで』



詩央里くんとはただの仲良い友達。


一時期そんな関係っぽい時もあったけど、結局うまくはいかなかった





「いや、話のネタに」




『まあ、、ね』



私は濁して答える




“お前には彼氏なんかできないやろ”



昔、馬鹿にされたのが引っかかっていてつい見栄を張ってしまうのだ




「ふぅん」




聞いたところで大して興味ないくせに




『さとみは？彼女いるんでしょ？』



「あ〜ね」



『その癖うちに入り浸るのなに？彼女んち行きなよ

彼女も嫌でしょ、腐れ縁女がチラチラいたら』



私は本気で心配している



愛想尽かされるよ？




「適当にやってるからいいんだよ」



『イヤな彼氏』




さとみは昔から女子から人気あったもんな



まあ、アイドルを生業にするくらいだからカッコいいのは間違いない



でもってクール



でもって時に優しい。ギャップってやつ



…あれ、こう考えると異性として完璧じゃん





Aはさとみくんと付き合わないの？なんて良く言われてきた



ない。


ただの幼馴染、腐れ縁



友達関係が1番近い異性は裏を返せば色恋には1番遠い存在ともいえる




「ま、愛想尽かされないように努力しろ」



『うん、ブーメランね』

初！ライブ観戦→←配信•ムニの話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す