愛され紅一点ちゃんは今日も平常運転

カニさんとカモさん ページ3

『聞いてよ〜りぬきゅん』



キュンががっかりした顔で話しかけてきた




莉「どしたー」




『今日さぁ、カニさんパン買ったの』



カニに“さん”を付けちゃう辺りがキュンらしくて可愛い




莉「お前が大好きなやつ」




『そう。あのカニさんパン。ちょうど焼き上がりの時間に当たって買えたんだ』




会社近くの小さなパン屋で売っているカニの形をしたパン


キュンの好物だ


人気なのか時間が合わないと売り切れてしまうらしい




莉「で？カニさんがどしたの？」



それがさ、なんて口を尖らせて俺の隣にドカンと座った




『そこの公園の池に鴨さんがいてね』





おっと


カニさんの次は鴨さん登場？




莉「うんうん」





『…おなかすいたって』


……



莉「は？」




『いやだから。カモさんがね、お腹すいたってさ』



莉「うん、言わねーよ。カモさんは喋らない」



キュンたまにそういうとこある笑
　


『そりゃ喋りはしないよ！莉犬変なこと言うw

そう感じただけよ」



さもおかしそうに笑うキュン



納得いかねーけどまあいいや




莉「そんで？」




『忙しなく餌を探してるのが可哀想になってね、パンを少しだけ分けてあげたの。
　
そしたら仲間が集まって来ちゃって、私のパン全部なくなっちゃったのぉ！』



あーね笑



莉「残念だったな。でもさ、鴨さん喜んでるよ」


『うん…そうだよね』




さ「はよー。キュンおみやげ〜」



さとみが片手にビニール下げて登場




『え！なになに？…わ、まじ？！』



キュンが目をまんまるにして驚いている



莉「なに？」



袋を覗くと


お！！




『カニさんぱぁぁん！！』



さ「たまたま焼き立て出てたから」




『しかも２個！さとみ神ぃぃ！！』


うるさっw




『これはカモの恩返しだわ

…さてはさとみをかぶったカモだな』





さ「あ？何の話？誰がカモや」




笑




よかったなキュン

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