先生に片想い、先生の片想い〜黄〜

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前を歩く先生の背中、いつもと違って見えてなんだか少し怖くなる





連れてこられたのは音楽準備室


「これ、一緒に片付けてくれませんか」


授業の資料が無造作に置かれていてそれをまとめ始めた



プリントを手に黙々と動く先生の横顔が綺麗で思わず見惚れる


痩せてさらにミステリアスな雰囲気が出ていて先生から目が離せ…


「Aちゃん、見過ぎです。手が止まってますよ」


見ていたことがバレて恥ずかしくて顔が熱くなった




「どれだけ僕のこと好きなんですか」


にやりとする悪い顔のるぅとくん




見惚れていたこと、好き過ぎる気持ちを揶揄われたようで少し腹が立った



『べ、べつにっ！もうそんな好きじゃないし！！！』




仕返しの気持ちで口から出た言葉に、後悔し始めた時はすでに遅かった


「…え？」


先生は驚いた顔でこちらを見ている


「え？」

『あ、いやあの…』
　
「…うそ」


「…Aちゃんもう僕に興味なくなっちゃったの」


『……』



先生ずるいよ


私のこと好きじゃないくせにそんな悲しそうな顔して




「ねえ？ボクのこと好きじゃなくなっちゃったの？」


ジリジリと近づいてきて私の腕をそっと掴んだ




「Aちゃん」



先生は私を抱きしめた



『…え』


先生の甘い匂いにくらくらする


わたしは目を瞑った



「嫌いにならないでよ」




ずるいよ、先生

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