先生に片想い、先生の片想い〜黄〜

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「んっんんっ。で？授業に出なかった理由は？」


黄瀬先生は大袈裟に咳払いをしてキッとこちらを睨んだ



ああ。


先生は気づいてないんだ


私がどうして授業をボイコットしたのか、
どうしてあの場から逃げたのか



傷心の生徒に、追い打ちをかけるようにあの時の気持ちを説明しろって言うの？



「黙ってたらわからないよ。

あー、もういいや。で、これ」


『あ！』


さっき私が落とした焼菓子


すっかり忘れていた



「さっき落としていっちゃったでしょ？ね、これもしかしてボク…」


『これは、』



るぅとくんに作ったって言いたくないって思った

よくよく考えれば先生は何にも悪くないのに


きっと私にしか分からない小さな抵抗




「るぅと、ほどほどにしてやれば」


桃瀬先生が私の隣に立った


「Aも反省してるよな？」



桃瀬せんせ…

『こ、これは桃瀬先生に作ったんです！！』


私はるぅとくんからそれを取り返して桃瀬先生に押し付けた



「あ？これなに？」


「なんでさとみくん？」



『っと…いつも優しくしてくださるので、、私が作った焼菓子です

迷惑だったら捨ててください！』



桃瀬先生の方をチラッと見ると何か言いたげ


でも、

「…お。そ？サンキュ。嬉しい」


頭を撫でられてなんだか申し訳ない気持ちになる





「Aさん。」

やり取りを黙って聞いていたるぅとくんが低めの声で私を呼んだ


『…はい』



「夏休み1週間、今日のペナルティとして補講ね。」



補講か



1週間…




『え？長っ！！』

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