【SLAM DUNK】山王工業のもう１人の天才 Ⅱ (ページ39)

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参謀爆誕ページ39

『湯沢高校キャプテン明屋、ポジションはPG

　特徴は観察眼が鋭く周りをよく見てるところ

　序盤は気にならないかもだけど相手の弱点を見抜けば確実にその穴を狙ってくるタイプ』

「じゃあ早いうちに手を打っとくべきだな」

河田の言葉にAはそうですね、と短く言葉を返す

『余程のことがない限り山王(こちら)を

　崩すことなんかできないとは思っているんですけど、

　まぁ先手を打つのも大事でしょうね』

「じゃあ深津が序盤からバチバチにマッチアップして

　心でもボッキボキに折っとくか？」

「…性格悪いベシ」

「お前毎回相手が折れるのを楽しみにしてるくせに」

加賀海さんの冗談が冗談じゃないのかわかりにくい言葉を深津さんは眉しかめて引いてるかのように呟いた

深津さんは相手の心を折るガードとして有名らしい

確かに練習でも見た感じ隙がないというか、しつこいというか…敵にいたら絶対に当たりたくないようなプレイをする人だ

『…もう一人抑えるべき人物が３年の永野。ポジションはSF

　器用だからなんでもこなせるタイプで

　調子のムラはありますがいい日のスリーはやっかいです』

「明日がいい日じゃなければいいけどな」

『いい日だとしてもディフェンスをしっかりしてコースを

　固めればある程度は大丈夫じゃないですかね』

「そうだな…何かあれば沢北(こいつ)をつければ

　スリーも打てないだろ」

『…ですね、恐らくどこも沢北の実力がどれくらいなのか

　理解できてないでしょうし。１年だからと油断したところ

　を一気に喰らいましょう』

沢北は頬杖をつきながら蒼月が昨日監督と話し合いをして
作ったらしいプリントを眺めていた

それは県予選であたる高校の選手を分析したもの…らしい

いや、有り難いし普通は相手のことを分析した上で戦うもんなんだろうけどよ、この精度は最早変人レベルだぞ

Aの観察眼の凄さ故に沢北は引いていた

それはここにいるレギュラーにとっても同じことだったと思う

こいつは敵に回してはいけないタイプだ

唯一監督だけがニコニコした満足げな顔でAを見ていた

県予選まであと１日