【SLAM DUNK】山王工業のもう１人の天才 Ⅱ (ページ22)

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最大のピンチページ22

期末考査

この忌忌しい字面は沢北にはどう写ってるのだろうか。隣をチラリと見たAは思わず絶句した

「…いや、夢だこれは絶対に夢だ、俺にテストなんかねぇよそうだよ期末考査なんて知らねぇよよしそうだバスケをしよう！！」

『一旦現実に戻ってこい沢北！！』

沢北は完全に虚ろな目をして天を仰ぎ変なことをブツブツと呟いていた。口から魂が抜けそうだった為急いで頭を叩いて現実へと引き戻す

『まだ、まだ時間はあるだろ…！！普通に授業受けてたら心配することはない筈だ！！』

「蒼月〜！！お前俺が寝てるの知ってるだろ！？」

『開き直んな！！知るかンなもん！！』

俺はバスケしかできねぇのぉ〜と泣きつく沢北をAはゴミを見るような目で見た。こんな奴に構う暇はなさそうだ

「その目ヤメテ！！」

『うるせぇ黙れ寝てるテメーが悪い』

Aは沢北を無理やり引き剥がして教室を出て部活に向かった。後ろの方から「おいてくんじゃねぇよ〜」と涙声が聞こえてきたのは気の所為だということにしておこう

「ついに来たな〜期末考査」

体育館にいた加賀海がニコニコとした笑顔で言った。『それはどういうことですか？』とAが喰い付く。加賀海がニッコリと笑って指を向けた先は地獄絵図だった

「お願い致します深津様！！俺に！！勉強を！！教えてください！！」

「嫌ベシ。授業中に寝てる奴には絶対に教えないベシ」

「薄情ものぉぉ！！！」

深津さんにしがみついて叫ぶのは松本さん。まるで先程の誰かさんに似ている。野辺さんは椅子に座ってあし○のジョーみたいになっていた

蛍原さんも顔面蒼白、津城さんは床と同化していた。息はあるのだろうか

『え…そんなにですか、期末考査』

「いやぁね〜実はそうなんだよ蒼月」

「赤点を取るとIHには出れないんだべ」

『河田さん』

「で、アイツ等は今必死に深津にしがみついてると」

河田さんが面白そうに笑いながらその様子を見物していた。河田さんは勉強もしっかり両立してそうだな…とAは勝手に想像する

「そう言えば沢北は？」

『教室に捨ててきました』

「この一言だけで何かわかっちゃうのが嫌すぎる」

そして今日の部活終わりのミーティングの堂本監督の一言

「お前等…わかってるよな？」

期末考査まであと一週間と少し前

山王バスケ部の最大の戦いが始まろうとしていた