必要な存在 ページ25
「深津さん！パスパス！！」
「うるさいベシ…」
沢北が自分の存在を主張するかのように大声を出して深津にアピールをするものの深津はそれを無視し河田にボールをパスした。河田はそれを豪快なダンクとともに決める。
深津さん酷いと喚く沢北をコートの外からAは眺めていた。
「沢北も嬉しそうだな」
『…加賀海さん』
Aがそう名前を呼べば本人は嬉しそうに笑みを浮かべた。今日からは深津さんの許しを得て部活に復帰？し本格的に山王のバスケ部に加わることとなったのだ。
…ただ、Aを除いて
「蒼月、お前は何でここにいるんだ？」
加賀海のその言葉にAは言い返す言葉が見当たらなかったのか黙っている。マネージャーといえど仮なわけで、沢北の入部も許された以上ここにいる必要性もあまりないというのにAは今日も体育館に来ていた。
「マネージャー、やらないのか？」
『あの、それは』
「俺はやって欲しいベシ」
急に２人の会話に割り込んできたのは深津だった。休憩の時間になったのだろうか、タオルを片手に汗を拭きながらこちらにやって来る。
『深津さん…』
「…悩んでるベシ？」
『いや、まぁ…俺、バスケ部に入るハッキリとした理由とか存在理由とかがないし』
その言葉を聞いた深津はふ〜んとした顔をした。自分から聞いてきた割には興味なさげだ。この人はこういう人だと改めてAは思う。
「そんな事どうでもいいベシ」
『どうでもいいって…』
「俺は、蒼月がこの部に必要だと思ってるベシ」
深津がそう言うとAは驚いたように目を見開いた。加賀海もその言葉に興味ありげな反応をする。
「蒼月のお陰で、ここ最近の部活の仕事の回り具合もよかったベシ。感謝してるベシ」
『そ、そうですか…』
「理由がないことなんてないだろ？」と加賀海が言う。深津もコクリと頷いた。
「どうだ、やってみないか？」
加賀海があの時と同じ言葉で、何処からか取り出した少し皺の入った入部届のプリントを手渡してきた。Aはそれを前にして少し躊躇う。その背中を、深津がバシッと叩いた。
痛ぇなという顔を深津に向ければ深津は「大丈夫ベシ」と小声で囁いた。
その言葉にAは心がじんわり温かくなるのを感じた。
『…加賀海さん、深津さん』
Aは顔を俯かせながら目を閉じて考え、そしてプリントを手に取り腹を決めたのか芯の通った目を２人に向けた。
『俺、やります。…マネージャー』
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三國。(プロフ) - 三峰さん» わー！！ありがとうございます…！！面白いって言ってもらえてめちゃくちゃ嬉しいです😭これからも頑張りますね！ (2023年2月8日 17時) (
レス) id: db3bdcc075 (このIDを非表示/違反報告)
三峰 - すごい面白いです！次の話も待ってます！ (2023年2月8日 15時) (レス) @page11 id: ff36423646 (このIDを非表示/違反報告)
三國。(プロフ) - Kokoa＊*さん» ありがとうございます！！山王キャラ達と蒼月の関係性がどうなるのか楽しんで読んでいって下さい！沢北も深津さんも沢山出せるように頑張ります✨ (2023年2月4日 18時) (レス) id: db3bdcc075 (このIDを非表示/違反報告)
Kokoa＊*(プロフ) - めっちゃ楽しみにしてました！凄くよかったです✨ 次もめっちゃ気になります！ (2023年2月4日 17時) (レス) @page5 id: 044d6f3aa9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三國 | 作成日時：2023年1月6日 8時
