THE FIRST SLAM DUNK 沢北編�� ページ48
最近Aは沢北が学校から少し離れたところにある小さな神社に毎朝走り込みをしているということをたまたま知った。
だから持久力やスピードが上がっていたのか、とAは思う。どんな時でもバスケに一生懸命な沢北がいかにもやりそうなことだ。
それは７月のある日、夏が始まろうとしていたときの話
高校バスケ界の頂点に君臨する山王工業は朝早くから夜遅くまで練習がある。
特に、学校のない休日は朝が早く、ここに来始めたときは沢北も早起きするのに少し苦労していた。
２年生になった今でさえ、寝坊してはその都度河田に締められるときがある。
そんな少し朝の苦手な沢北には最近朝のマイブームがあった。
沢北は今日も1人早起きをし、ジャージに着替えて靴紐をしっかりと結びストレッチをする。
そして校門を出て駆け出し始めた。
マイブームとは、学校の少し離れたところにある神社の階段で走り込むこと。部の練習、ロードワークをしているときに沢北がたまたま見つけたのだ。
段は全て合わせて300段。程よい高さと長さ、切の良い段数で初めて登り下りをした時には思わず「いいね、これ」と言うほど自主練にはうってつけの場所だった。
今日もまだ薄暗い外の中を沢北は無心で走り神社の前に来て、階段を駆け上がる。
リズムよく、程よい負荷をかけて体がブレないように
一つ一つの動作を丁寧に、気をつけながら沢北は階段を駆けていく。あと少し、というところで沢北は人影を見つけた。
よく見慣れたシルエットが、参拝をしているようだ。
登り終えた沢北がその姿を見て「あ、」と声を漏らす。
そこに居たのは同じバスケ部の先輩であり、マネージャーであり、自分の彼女でもある梵Aの姿だった。
「お、おはようございます！！」
『おはよう。…朝から元気だね。』
思いがけない人物に沢北は動揺しながら挨拶をした。
「あの、Aさんはどうしてここに？」
マネージャーはトレーニングなどしない。ましてやここは誰も気づきにくい森の中にあるというのに…
沢北の質問を、Aはあっさりと答えてくれた。
『沢北が毎朝何をしてるのかを確かめに来た。』
「そうっすか…」
『ほら、そんな事はどうでもいいから。早く何時もやっていることの続きをしなよ。』
Aに言われてようやく我に返った沢北は「はい！」返事をしてまた勢いよく階段を駆け下り始めた。
沢北が駆け下りていく後ろ姿をAは頬杖をつきながら眺めていた。
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三國(プロフ) - ぼくらいさん» コメントありがとうございます！！楽しんで貰えてるなら幸いです✨これからも更新頑張りますね💪 (2023年1月10日 6時) (
レス) id: db3bdcc075 (このIDを非表示/違反報告)
ぼくらい - いつも楽しく読ませてもらっています❤️🔥 (2023年1月9日 20時) (レス) id: 9239ef16aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三國 | 作成日時：2022年12月31日 9時
