THE FIRST SLAM DUNK 宮城編�� ページ32
それはとあるバスケの試合の会場の控室でのこと。
ドクドクと大きく鼓動を打つ自分の心臓に手を当てて落ち着かせるようにして深く、息を吐く。
遂にこの日が来ちまった…
そんな事を思いながら宮城リョータは目を閉じた。そして目を開け、自分の鞄から取り出した赤のリストバンドを見つめる。
これを見ると、昔事故でなくなった兄の事を思い出す。
リョータがバスケを始めるようになったのも兄の、ソータの影響だ。昔はいつも１on１をやってくれてたなと思い出した。ソータはバスケのクラブチームで活躍するほどにバスケが上手いため、自分はいつもソータを前にやられていた。
『１on１もっかいやろっていったじゃん…！！バカソータ！！もう帰ってくんな！！！』
ある日、ソータが友達と遊ぶと言って１on１を途中で切り上げられた日にソータに言った言葉。
そう、ソータに向かっていった言葉と、それを言われたソータの顔を、俺は２度と忘れることは出来ないだろう。
アレを言わなかったら、どうなってたんだろうな。もしかしたらソーちゃんは帰ってきたのだろうか？と正解のない問題の答えを、今でも探して藻掻いている。
相手はソーちゃんが憧れていた、山王工業
昨日ビデオで観た凄い選手たちと闘うと思うと震えが止まらない。実際、握りしめていた拳は微かに震えていた。
心臓バクバクでも…めいっぱい平気な振りをする、だったよな。
心の中でよく兄が言っていたことを呟いた。
わかってる。わかってるよ、ソーちゃん。天国にいるであろう自分の兄に答えるようにリョータは言う。
俺は今から、ソーちゃんが立っていたかもしれない舞台に立つんだ。立って、勝ってそして、あの子に自分の気持ちをもう一回伝えてみせる。だから今日の試合は個人的にも譲れない試合なのだ。
Aは、もしこの試合に勝てたのだとしたら…なんて言ってくれるかな。
もう一度、伝えてみせる。
昔かはずっと俺じゃなくてソーちゃんの事を想い続けるAに、今日こそ俺を、宮城リョータを見てもらうんだ。
リョータは赤のリストバンドをサッと手首につけると、誰かに言うように言葉を呟いた。
「行ってくる。」
そして勢いよく、ロッカーの扉を閉めた。
THE FIRST SLAM DUNK 宮城編�□�←流川楓と彼女��+α
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三國(プロフ) - ぼくらいさん» コメントありがとうございます！！楽しんで貰えてるなら幸いです✨これからも更新頑張りますね💪 (2023年1月10日 6時) (
レス) id: db3bdcc075 (このIDを非表示/違反報告)
ぼくらい - いつも楽しく読ませてもらっています❤️🔥 (2023年1月9日 20時) (レス) id: 9239ef16aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三國 | 作成日時：2022年12月31日 9時
