【ワートリ】黒の救世主 2【三輪秀次】

48話 ページ8

「よいしょっと。あー、一気に楽になった」


近寄ってきたトリオン兵を瞬殺する。後は当真さんの方だけど…


「あっ」


緊急脱出(ベイルアウト)してしまった。流石にこの数を至近距離で相手するのは当真さんでも難しかったか。


「なかなかの戦闘能力ですね。後ろには壁で囲まれて逃げ道がなく、至近距離で全ての攻撃を避け、3体全て倒しています。最初に吹き飛ばされた時にダメージを受けたようで最後は隠れていたトリオン兵に後ろからの不意打ちの1発によるトリオン漏出過多ですね。すぐに気付いて急所は避けれてますが、近距離だというのもあって間に合いませんでした。十分でしょう」


「…やっぱり当真さんヤバイわ」


冬島隊の実質的な戦闘員は当真さんだけのようなものだ。特殊工作兵(トラッパー)が何ができるかはあまり分かってはいないが、罠を設置したりすると仮定すると、やはり直接倒すような手段はないように思える。それでA級2位だ。あの人絶対ヤバイわ。


「そしてマスター、残念なお知らせです」


「何？」


「警戒区域内に門(ゲート)が大量に開きました。マスター1人で処理をお願いします」


…は？マジで？今、目視で確認したけどさ。結構な数だよ？大規模侵攻か、って思うくらいの数だよ？これ大規模侵攻？ねえ？


「大規模侵攻ではありません。これも神がやらかした事故の1つですね。迅悠一は気付いていないかと」


「あ、もしかして神様が起こした事故って迅さんの未来予知では分からないパターン？」


「その通りです。その時にならなければ分かりません」


……神様、とんでもない事故をやらかしてくれましたね…迅さんが気付かないって、それ最悪じゃないか…多分どうせこの先もこんな事故があるんでしょ？


「ありますね。さあ、他の隊員はいないんですから、そんなこと言っている暇があったら早く倒してください」


「へいへい。秒で倒すぞー」


「了解」


剣(ソード)を出して、敵を斬るために走り出す。


「ちょっ、速っ、死ぬっ」


「秒で倒すと言ったではありませんか。後、トリオン体では死にません」


「マジレスしなくていいから、比喩だから！秒で倒すとは言ったけどさ！くっそおおおおおお！」




少し走るくらいの感覚でも高速で動く体に必死についていきながら、私はトリオン兵を全て倒したのであった。

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