80話 ページ40
「ごちそうさま。奢ってくれてありがとう」
「…」
結局、治しても無視ですか。…いや、無視どころか聞いてないという方が正確だろうか。何か考えているようだ。
「…訊いていい？」
「何だ」
「何故私に試合を申し込んだの？」
これがいまいちよく分からない。高熱で体調が悪いのに戦うことには三輪にとってデメリットでしかない。全敗だったのも、多分それが原因だろう。私よりも点が大幅に高いため、勝っても取れる点は少ないし、負けたら多く点が取られる。何がしたかったのかよく分からない。
「…何故、お前が」
「？」
よく分からないことを呟いて黙った。…何を思ったのかさっぱり分からない。
「…っ！」
すると突然、三輪が私に掴みかかってきた。突然のことで、私はあっさりと押し倒されてしまう。肩を押されてかなり痛い。このまま、首を絞めそうな勢いだ。
「おい！やめろ！」
声が聞こえた。…この声は出水か。なるほど、防衛任務は嘘か。デートだとか言って、私達の後をつけていたのだろう。…デートのカケラもないけど。
「よいしょ」
「大丈夫…あれ？」
私のところ来た出水達は驚いたような顔をしている。まあ、でしょうね。さっきまで押し倒されていたはずの私が立ち上がり、逆に三輪が地面に倒れているのだから。
「…えーと、何をしたんですか？」
「普通に。言っておくけど、股間蹴ったりとか卑怯なことはしてないからね？」
古寺がそう訊いてきたので、答える。あまりにも一瞬で、しかも三輪が倒れたまま起き上がってこないから、全員が三輪が私に何かおぞましいことをされたのでは？というような表情をしていた。…その何かはすぐに分かったが、そんなこと緊急時とか以外にはやらねえよ。
「柔道とか空手、合気道、テコンドー…色々やってたからね。まあ、前は体力なかったから…分かりやすく言えば、どれも一瞬で終わらせられる護身術程度のレベルだったけど」
多すぎだろ、というツッコミが来そうだが気にしないでおこう。広く浅くやっていたのは、両親は色々な武道を学んで、手数の多さで強くなるのと臨機応変に対応できるようにする意図があったのかもしれない。
「…で、太刀川隊に三輪隊…揃って何用ですか？」
全員が逃げ出そうとしたところ、シスが網を作って全員を捕らえた。ナイスだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 48人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
葉月(プロフ) - 青い夕日さん» コメントありがとうございます！これからも頑張りますので、よろしくお願いします。 (2020年5月8日 0時) (
レス) id: f4ed754532 (このIDを非表示/違反報告)
青い夕日 - 面白いです！更新頑張ってください！ (2020年5月7日 20時) (レス) id: e84367e7a0 (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - 侑華さん» ありがとうございます！頑張って更新しますので、これからもよろしくお願いします。 (2020年4月11日 22時) (レス) id: f4ed754532 (このIDを非表示/違反報告)
侑華(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます。大変かもしれませんが更新頑張ってください！楽しみにしています。 (2020年4月11日 11時) (レス) id: 4a19e93e40 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：葉月 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/3f2cc79ad91/
作成日時：2020年4月4日 0時
