【ワートリ】黒の救世主 2【三輪秀次】

73話 ページ33

「そういえば君は攻撃手(アタッカー)だっけ？」


「はい。弧月使ってます」


「村上先輩と一緒ですね！いつか戦うことになるかな？」


…正直、あまり相手をしたくないのである。戦えば戦うほど勝ちにくくなるってかなり厄介だ。…あ、待てよ。私のサイドエフェクト無効化を使えば学習されないのでは？それならいいかも。


「…もしかして君、C級で騒がれてる子？」


「…結構騒がれてます？」


「A級とも相手ができる強い子って話題になってるよ」


…分かってはいたけど、やはり結構騒がれてはいたか。試合を見れないようにはしたけど、やはりA級といるとそうなるか。


「事実です。もうそろそろ負け越されそうですよ」


「オレもやればやるほど負けてきてますよ。遊真先輩とどっちが強いかな？」


「そりゃ、遊真でしょ」


戦闘経験はあちらの方が上だ。生身で行う試合には勝てても、戦闘はやはり難しいだろう。私のトリガーとシスの力があれば遊真が黒(ブラック)トリガーを使っても勝てるかもしれないが。


「いやいや、そんなことないと思うけどなー」


実際に戦ってみないと何とも言えないので、あれだけど。…まあ、少しくらいは期待してもいいのかもしれない。


「今度、鋼と戦っても面白いかもね」


「そうですね。オレも気になります」


「今度ね？」


明日はダメだ。ランク戦の結果に影響がでる可能性がある。…仕方ない。誰かと戦っているか。


「そういえば、三輪君が吐いたって聞いたけど、大丈夫？」


「まあ…大丈夫でしょう」


体は比較的大丈夫だと思うけど、精神が大丈夫じゃないのだ。本編ではあそこまで酷くなかったのにどうしてああなったのだろう。原因の可能性の1つとして本編では登場しないはずの私の存在だが、その理由が分からない。遊真の時でもあそこまで酷くなかった。


「隈できてたとかの話も聞いたけど…」


「悩み事があるみたいっす。まあ、原因はどうしようもないことですけど…」


原因分かってるの！？あれで！？…まあ、付き合いの長さか。


「なんか、大変そうだね」


「しばらくはちょっと元には戻りそうにないっすね」



どうにかできるならどうにかしたいが、米屋も無理なら私には一切できないだろう。

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