67話 ページ27
「う……」
目が覚めると、病院のベッドの上だった。体が重い。…焼肉食べてなかったらもっとヤバかったかも。
「……え」
イスには三輪が座っていた。しかも眠ったまま。見舞いに来たみたいだけど…寝たままって…?
「おはようございます、マスター」
「おはよう…って、もう昼だけど」
時計を見ると、13時を過ぎていた。日付は1日だけ経っているようだ。
「状況を説明します。あの後、マスターは栄養失調で救急搬送され、集中治療室に入りました。栄養を与えればいいのでそう指示しました。本来は急激に入れるのはよくないのですが、マスターの能力でその辺は何とかなるので、忍田本部長を通じて頼みました。ボーダー提携でよかったですよ。話が早いです」
本来の栄養失調なら、こんなにも回復が早いとは思えない。…結局は自分の力ですか。
「…で、ここにいる三輪は?」
「マスターをずっと見つめたまま、寝てしまいました」
「はい?」
理解不能。何しに来たんだ、こいつは。寝るなら家かボーダーで寝てくださいよ…
「三輪隊によると、三輪はここ数日眠れなかったようです。原因は分かりませんが」
「数日、ってことは私が倒れる前からだよね?」
「はい」
…お酒と何か関係があるのか?何か嫌なことでもあって不眠症の上にアルコール依存とか?眠れなかったのに何故ここで寝ているのやら…
「…ん」
「あ、起きた。おはよう」
「おはよう…」
寝ぼけているのだろうか。こいつが私にこんなこと言うのは信じられないのだが。…まだ眠そうだ。多分、寝ぼけているのだろう。
「三輪、具合どう?もうお酒飲んでないよね?」
「うん。飲んでな……!?」
目が覚めたのか、私の顔を見て驚いたような顔をする。…何故驚かれるのだ。どこに驚く要素があるのだろうか。まさか、寝たせいで見舞いに来たことも忘れてたのか?
「…人の心配をしている場合か」
「私は栄養さえあれば治るし、大丈夫。それよりも、依存症になってないかなと思って。それは私でも治せないだろうし」
依存症は精神的な問題が大きい。私の力でそれを治すことはできない。
「眠れないんでしょ?大丈夫?」
「お前には関係ない」
そして無言が続いた。…うん。こいつと話すの苦手だわ…
48人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
葉月(プロフ) - 青い夕日さん» コメントありがとうございます!これからも頑張りますので、よろしくお願いします。 (2020年5月8日 0時) (レス) id: f4ed754532 (このIDを非表示/違反報告)
青い夕日 - 面白いです!更新頑張ってください! (2020年5月7日 20時) (レス) id: e84367e7a0 (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - 侑華さん» ありがとうございます!頑張って更新しますので、これからもよろしくお願いします。 (2020年4月11日 22時) (レス) id: f4ed754532 (このIDを非表示/違反報告)
侑華(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます。大変かもしれませんが更新頑張ってください!楽しみにしています。 (2020年4月11日 11時) (レス) id: 4a19e93e40 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:葉月 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/3f2cc79ad91/
作成日時:2020年4月4日 0時