66話 ページ26
「忍田さん近くにいたぞ。C級が結構騒いでたから、早くしねえとバレるんじゃね?」
それはまずい。せめてアルコールの臭いだけでも誤魔化さないと…やり方なんて正確には覚えてないけど、自分の記憶を頼りにやっていく。
「ペーパータオルで吐いた物を広めに覆って…漂白剤ってここでかけるっけ…?」
こんなことは実際にやったことがないので何とも言えない。とりあえず、漂白剤を水で薄めた希釈液がいるのは覚えている。50mL計量カップがあったから、2Lの水ならこれ1杯でいい…と思う。臭いも消したいし、この上かけても多分大丈夫だと思ったので、作った希釈液をかける。
「何事だ!?」
ここで忍田さん登場。かけた後でよかった。漂白剤の臭いで誤魔化せられる。
「三輪が吐きまして…食べすぎみたいです」
「さっき、ノロだという話を聞いたが…」
「皆混乱していたんで、勘違いしたんでしょう」
私はノロだとは一言も口にしていないので、言い逃れはできるだろう。聞き間違いだと思えるし。
「…ん?お酒の臭いがしないか?」
忍田さん、鼻がいいのか?言われてみれば確かにまだ若干残っている。どう言えば…
「これ太刀川さんが酒の飲み過ぎで吐いた時用のやつなんで…太刀川さんの酒の臭いがついてるとかじゃないですか?」
「ああ、なるほどな」
出水、ナイス!無理矢理な気もするけど、この程度の臭いなら多分バレないだろう。
「具合はどうだ?」
「もう大丈夫です」
まだ顔色はあまりよくないが、起き上がれるようなので楽にはなったようだ。よかった。その間に私は吐いたものの回収、再度床などを希釈液で掃除したりして処理を完了。これでもう分からないだろう。
「それならいいが…辛かったら病院へ行くんだぞ」
「はい。お騒がせしてすみません」
全くもってその通りだよ!未成年が大量にお酒を飲んで急性アルコール中毒で死にかけ、吐いて大騒ぎ…絶対こんなことしちゃダメだぞ!?未成年がお酒を飲むのも、短時間にお酒を大量に飲むのも危険だぜ?最悪、死ぬぞ?
「さて…これで終わりですかね?トリガー
トリガーを解除し、生身に戻る。さて…
「後をお願いします……」
「!?」
私は空腹と栄養失調で力尽き、倒れた。
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葉月(プロフ) - 青い夕日さん» コメントありがとうございます!これからも頑張りますので、よろしくお願いします。 (2020年5月8日 0時) (レス) id: f4ed754532 (このIDを非表示/違反報告)
青い夕日 - 面白いです!更新頑張ってください! (2020年5月7日 20時) (レス) id: e84367e7a0 (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - 侑華さん» ありがとうございます!頑張って更新しますので、これからもよろしくお願いします。 (2020年4月11日 22時) (レス) id: f4ed754532 (このIDを非表示/違反報告)
侑華(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます。大変かもしれませんが更新頑張ってください!楽しみにしています。 (2020年4月11日 11時) (レス) id: 4a19e93e40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葉月 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/3f2cc79ad91/
作成日時:2020年4月4日 0時