65話 ページ25
「三輪、意識あるならうなづくだけでもいいからしてくれ」
「…」
無反応。まだ意識がないのか、聞こえてはいるけどそこまでする気力がないのか。重症だと治療に時間がかかってしまうのが厄介だ。
「ね…」
「意識戻った！？…本当に戻ったか？…大丈夫？」
「俺…は…」
受け答えできているのかは怪しいけど、とりあえず反応はある。大丈夫そうだ。
「スポドリ買ってきた！」
「サンキュー、出水。…飲めるかな」
ここまで吐いているし、アルコールを薄めるためには意識があれば飲ませた方が良いのだろうが、意識が無い時に無理に飲ませるのはよくない。水が気管の方に入ったら大変なことになるし。
「吐いたやつもなんとかしないとバレるよな…塩素系漂白剤があれば…」
「それ太刀川隊の部屋にあるわ。取ってくる」
…何故あるのだ。太刀川隊は主婦か？普通はボーダーにはいらないと思うのだけれど…
「秀次！？」
三輪隊だ。買いに行っている間にでも出水が連絡でもしたのだろう。
「これ…どういうことだ？」
「急性アルコール中毒。要するにお酒の飲み過ぎ」
「は！？」
そう。三輪は未成年であるにも関わらず、お酒を飲んでいたのである。転がっていた瓶も投げつけてきた瓶も全部お酒が入っていたやつだ。臭いで気付いた。だからこの臭いも他の人にバレると三輪はボーダーから追い出される危険もあるわけである。
「誰か2人は人が来ないか見てて。来たら止めて」
「分かった。俺が行く」
「僕も行きます」
奈良坂と古寺が見張りに行ってくれた。三輪も少しずつ回復してきているようで、体温も戻ってきた。
「…陽介…？」
「何やってるんだよ、お前…」
呆れたような、心配したような声で米屋は言う。確実に意識は戻ったか。
「三輪、飲める？」
スポーツドリンクを三輪に飲ませると、普通に飲んでくれた。これなら問題なさそうだ。
「持ったきた！」
「早かったね…って、バケツ！？」
バケツには手袋、マスク、塩素系漂白剤、使い捨てエプロン、水の入った2Lペットボトル、ビニール袋、ペーパータオル…吐いた時用の完全装備である。
「太刀川さんが飲み過ぎで吐くことあるから、風間さんたちの命令で常に用意してる。…俺、あんまり使い方分からないけど」
…太刀川さんならやりそうだ。
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葉月(プロフ) - 青い夕日さん» コメントありがとうございます！これからも頑張りますので、よろしくお願いします。 (2020年5月8日 0時) (
レス) id: f4ed754532 (このIDを非表示/違反報告)
青い夕日 - 面白いです！更新頑張ってください！ (2020年5月7日 20時) (レス) id: e84367e7a0 (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - 侑華さん» ありがとうございます！頑張って更新しますので、これからもよろしくお願いします。 (2020年4月11日 22時) (レス) id: f4ed754532 (このIDを非表示/違反報告)
侑華(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます。大変かもしれませんが更新頑張ってください！楽しみにしています。 (2020年4月11日 11時) (レス) id: 4a19e93e40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葉月 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/3f2cc79ad91/
作成日時：2020年4月4日 0時
