62話 ページ22
「失礼しまーす、誰かいませんか？」
その部屋は明かりがついておらず真っ暗で、掃除もあまりされていないようだ。人がいそうな雰囲気ではない。ここまで探していないのなら、ボーダーにいない気がする。それは出水も同じように思っているようだ。
「やっぱり、ダメか。……！」
声が出そうになって口を塞ぐ。あの時と同じ臭いだ。しかもこの床に転がっている瓶…もしかして…
「出水ー」
瓶はそのままにして、出水を部屋の外に連れ出した。…あの臭いが何か、さっきの瓶でやっと思い出した。何であんなものを思い出せなかったのか不思議なくらいだ。
「何かあったのか？」
「さっきと同じ臭いがした。…多分だけど、少なくとも手がかりがあると思う」
まだ断言はできない。けど、用心しておくことに越したことはない。
「米屋たちの方はどう？」
「さっき連絡があったが、家にもいねえらしい」
家にもいないとなると、ボーダーにいるか、外にいるかのどちらかだ。…だけど、私の考えが正しいのなら、間違いなく外にはいない。いるとしても室内だし、人目のないところだ。
「…シス、同意見？」
「はい。マスターの予測通りと思われます」
なら、早くしないと手遅れになるかもしれない。…失敗なんて気にしていられない。
「…本当にあるのか？」
再度、部屋に入る。この部屋は恐らく、倉庫とか物置だろう。段ボールのは埃を被っているから、多分人はあまり入ってこないし、ここのものはあまり使われないのだろう。明かりもついてなかったし。
「…！これ！」
「出水も気付いた？」
出水も察したのか、小声で私に言う。瓶とそれについている臭いでわかったのだろう。
「…明かりつけるか」
「だね」
明かりをつけて奥の方に進んだら、ああやっぱりと思った。…あまり当たってほしくなかった予想だけど。
そこには三輪がいた。
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葉月(プロフ) - 青い夕日さん» コメントありがとうございます！これからも頑張りますので、よろしくお願いします。 (2020年5月8日 0時) (
レス) id: f4ed754532 (このIDを非表示/違反報告)
青い夕日 - 面白いです！更新頑張ってください！ (2020年5月7日 20時) (レス) id: e84367e7a0 (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - 侑華さん» ありがとうございます！頑張って更新しますので、これからもよろしくお願いします。 (2020年4月11日 22時) (レス) id: f4ed754532 (このIDを非表示/違反報告)
侑華(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます。大変かもしれませんが更新頑張ってください！楽しみにしています。 (2020年4月11日 11時) (レス) id: 4a19e93e40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葉月 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/3f2cc79ad91/
作成日時：2020年4月4日 0時
