【ワートリ】黒の救世主 2【三輪秀次】

41話 ページ1

まずは米屋の攻撃。これは読んでいた、というよりは知っていたに近い。先手は米屋だろうというのは理解していた。


「やっぱ、いきなり首は欲張りすぎたか」


そして攻撃場所も知っていたので防いだ。大幅に避けるだけでなく、念のためシールドも使った。


「通常弾(アステロイド)！」


背後から出水の攻撃が飛んでくる。シールドで防ぐけど、これは囮だな。いくらなんでも堂々としすぎた攻撃だ。ってことは…


「「！」」


菊地原と歌川か。私が米屋と出水の攻撃に意識を向けている隙にカメレオンを使って狙ったのだろうけど、こっちにはレーダーがあるのでバレバレである。接近してきたところを柔道の要領で菊地原と歌川を転倒させる。


「次は…」


上からの太刀川さんの攻撃だ。2人の攻撃で地面の方に意識を集中させて、上空への意識を割かせる目的もあったのか。


「剣(ソード)」


それを受け太刀する。上空から来たこととかもあって、力では太刀川さんの方が上だ。なら…


「…！」


地面からブレードを出したことで太刀川さんや菊地原たちは距離を取らざるを得ない。そうなると…


「旋空弧月」


「跳躍(ジャンプ)」


太刀川さん旋空弧月を避けるために跳ぶ。そしてその次も私は分かっている。


「防がれた！？」


狙撃をシールドで防ぐ。そして数も把握した。当真さん、奈良坂、古寺だな。…そういえば、冬島さんがいる可能性高いな。私が見ていた時はトラッパーのできることは不明な点も多い。気を付けないと。


「…こいつ、何故攻撃しない？」


攻撃できるチャンスはあった。菊地原と歌川の攻撃をいなすのではなく、逆に攻撃することだってできた。太刀川さんへの攻撃も敢えて外したのに気づいたか。流石は風間さん。


「こいつの目的はトリオン切れで俺たちを撤退させることか？」


「うわ、迅さんみたいなやり方ですね」


想像以上の早さで風間さんに気付かれた。そして菊地原につっこまれる。迅さんとの戦いでこの展開は向こうも知ってるからか。


「なら、短期決戦だな。数の有利を生かせば、トリオン切れを狙って戦うことはできないだろ」


太刀川さんの言う通り、そうなれば早く倒さないとこちらが負けるだろう。よってトリオン切れは狙えない。


「…よし。プランCだ」


「了解」



これも既に想定済みだけどね。

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