子供でいたかった【ヒプマイ】 (ページ8)

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級友ページ8

「A、次のラップバトル観に行くの？ほら！MTCとBBの！」

昼休憩、友達と紙パックのジュースを啜りながらゲームをしていると、級友から話しかけられる

「多分行くと思うよ、なんで？」

今回、初めて私も生で観に行く、勿論、スーツでピチッとした姿で行く、だって、左馬刻の兄貴に恥をかかせるわけにはいかないからだ。極道の一員として、兄貴の恥になってはいけない

「マジ！？」

キャーキャー金色の歓声を上げる、普段おとなしいのに…不思議だ。

「私たちも連れてってよ！」

「ごめん、身内席で行くんだ…だから無理、前売り券まだ売ってるんじゃない？ネット配信もしてるし」

ゲームに集中しながらそう言った。今すごくいいところなのだ。

「えぇー？なんとかなるでしょー？お願い！」

「だから、無理だってば」

厚かましいなぁ、と、不満を膨らませながらもゲームに集中する、二人の友達と自分、あと一人は野良で協力してゲームしているのだ。ミスるわけにはいかないのだ。

「なんで？！友達でしょ！？」

その大声で3人の手は止まる、友人は加えていたパックを驚きで口から離してしまい落としてしまう

「あーぁ！BB！生で見れると思ったのになぁー！MC.M.Bの生歌聞きたかったのに…」

文句たれながら自分の席へ座る、その後ろ姿を唖然としてみた。それは私たち3人だけではなく、クラスにいる生徒皆んなだ

「あっ！！A！！」

「ん？あぁ！？」

気付いた時には時すでに遅し、敵に捕まってしまった。このやり場のない怒り、否、煮え切らない気持ち…

「まぁ、そんな時もあるよ」

「救助行くねー」

「…見捨てて3人で逃げて」

はぁー…と、長くでかいため息をした。彼女は他人とも言えないが、友達とも言えない、クラスメイト以上でも以下でもない…

くそー…身バレさえしなけりゃなぁ…