子供でいたかった【ヒプマイ】 (ページ43)

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危険行為ページ43

「お兄ちゃんっ…」

「おい！無事か！？」

車のドアが閉まる音がした。きっと、携帯の電波から場所を特定したのだろう、流石兄貴

「飛ばせ！！俺の身内の命がかかってる！！！」

「はいっ！！」

少し寒くなってきたが、まだ意識はある、息も荒くなるし、痛いし…ほんと、転職、そろそろ考えてみようかな

「命はあるよっ…目の前に、薬の依存者…っ、今禁断症状で…幻覚…見てるっ…凶器はポケットナイフ…女性っ…30手前の…」

痛い、痛いよ、こんなに痛いなんて…あーぁ…何針縫うんだろう、また学校行けなくなる、友達心配するよね、二郎にも無茶すんな、て言われたばっかだっけ…無茶、してるつもりないのにな…

私は、自分が思ってるほど強くないのかもしれない

「安全なところへ移動しろ！！怪我してるなら傷口抑えて止血しとけ！！いいな！！」

「わかってるっつーの…
刺されたくらいで死なないよ…」

刺されただけでは絶対死なない、ただ。凄く痛い、立っているのが辛く、適当なところを背もたれにして座った。

目の前の女は「死ね」「消えろ」を連呼、とても見苦しかった。兄は、こんな光景がなくなるよつに、て警察になって、このヨコハマで働いていて…

気づくと、ピカピカと赤いライトが目に入った。凄まじいスピードで移動している、ポリの到着が早いのはいいことだ。どれだけスピード違反したとしても…ね

パトカーが到着し、兄が飛び出してくる、心配させまいと「お兄ちゃんっ」と呼ぼうとしたが途中でその声は阻止された。

「っ…！！ヴォケッ！！！
おっさんに心配かけるな！！！クソガキ！！」

痛いくらいに私を抱きしめる、あぁ、また私は、心配してくれる人を困らせてしまった。

「あ、貴女は…！！」

同行した新人警官は発狂している女性を見て目を見開く、それは、職場の上司だからだ。男だらけの職場で、数少ない小綺麗な女性がボロボロだ。

「…お兄ちゃん、痛いっ」

怪我人だというのに、それを無視して抱きしめる

「これくらい痛みつけねぇとお前は反省しねぇだろ！？
しばらく左馬刻に躾直してもらえ！！俺の手には負えん！！！」

耳元で叫ばれるので、煩かったが、肩が震えている事を知っていたので、それ以上何も言わなかった