子供でいたかった【ヒプマイ】 (ページ42)

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薬漬けページ42

「はぁ…僕としたことが、暴力に走るなんて、うっかりです」

ははっ、と笑顔を貼り付け頑張って自分を落ち着かせる、感情は６秒立てば落ち着く、６秒の我慢だ。

「別に、貴方をボコボコにしたい、とか、ぶっ殺したい、てわけじゃないんです。ただ。しょっぴきたいだけなんです」

兄を裏切り、騙し、そして薬に手を出したお前を、私は許さない

「兄さんは、薬が一番嫌いなんです。警察になった理由も薬を無くしたい、ていう理由なんですよ？
なのに、身近な女性が薬をやった上、依存症で今だって禁断症状が出てるなんて知ったら…どんな顔するんでしょうね」

「っ…！！」

そろそろキツくなってきたらしく、息が荒く目の瞳孔が開いている、彼女が取引してる売人はもう処理済み、手際も兄仕込みなので抜かりなく

「…僕は大好きな兄のそんな顔、想像したくないです」

ツーッと、目から涙が流れる、その涙は怒りなのか、それとも悲しさなのか、それとも複雑な感情が入り混じっているのだろうか…？

「…はぁ」

息を一度吐き、スマホを操作する、私は女優、たくさんの顔を持つ、僕にかかればなんだってできる、だって、僕は…私は…

入間銃兎の右腕なのだから

「黙れぇええええ！！！」

「A、どうした」

「っ…！？」

女はポケットナイフを取り出しAに襲いかかる、Aは作業に集中しており反応が遅れた。そして、良すぎるタイミングで兄が電話に出てしまった。

本当に私は学習しない、危険な橋を渡るな、自分の身は自分で守れ…

「っ…！！」

「アンタなんか最初からいなければよかったのよ！！！邪魔！！邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔！！！」

急所を頑張って避けたつもりが、相手は知識のある警察、だいぶ都合の悪い事をしてくる、ナイフを素早く引き抜く

「A！！おい！！どうした！！！」

反応のないどころか、スマホから伝わる只ならぬ雰囲気に、銃兎は顔を真っ青にする、いくら呼びかけても返事は聞こえない

「消えろおおお！！！」

とはいうものの、禁断症状が進んできており、幻覚幻聴が酷くなり、Aに到底及ばない

「はぁっ…！禁断症状で、足元がおぼつかないみたいじゃん…ざまぁ」

横腹を抑え、彼女の手の届かないところまで距離を取る