子供でいたかった【ヒプマイ】 (ページ5)

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夜食会ページ5

「左馬刻の兄貴、いつも有難うございます」

個室の寿司屋に連れてきてもらい、彼のオススメの物を口にする

「お前にはよく働いてもらってるからな」

きっと、彼の妹の影と私を、多分だけど重ね合わせているのだろう

理鷹は黙々と、左馬刻の隣でお寿司を食べている、アラサーなのに、食べている姿がとても可愛い

「銃兎を許してやってくれ」

「…どう言う意味ですか？」

いきなりの切り出しに、ついていくのに少し時間をかけてしまった。

左馬刻は少し申し訳なさそうな顔をしていたが、すぐにいつも通りになった。

「お前も寂しい思いしてんだろ？銃兎だってそんな思いさせてぇ訳じゃねぇんだ」

別に、寂しい思いとかしてない、だって、彼にも彼なりのやりたい事があるんだもん、仕事して、仲間と遊んで、ラップだって…

別に、私の事なんか心配しなくていいのに

「僕は兄に不満なんてないですよ、むしろ感謝してます。
まだ若いのに、僕の事養ってくれてますし、兄に女が出来ないのは僕のせいかもしれませんね」

ははっ、と笑ってみせる、不満がないなんて、かなり盛った。だが、それくらい言わないと、大人の世界は我慢、忍耐、根性だ。それは皆んなしている事

「安心しろA、そんな事はない
今日だって女とディナーへ行く、て言ってたぞ」

「…あぁ"？」

バチッ、と鈍い音を立てながら、Aがお箸を握って折る

さっきまで空気だった理鶯の爆弾発言に空気は一変、悪くなる

「テメェ理鶯！！余計な事をっ」

左馬刻は取り返しのつかない爆弾発言に頭を抱えた。

私より、その辺の女を優先…？

マジありえない！！私だって！友達との予定あるのにくそ兄貴に合わせてるってのに！？

「あははっ、兄さんも隅に置けないなぁ…？」

笑顔を頑張って貼り付けるも、口がビクついているのは一目瞭然、そして目が笑っていない

いいもん！！私だってお兄ちゃん以外の男作ってやるわ！！