子供でいたかった【ヒプマイ】 (ページ37)

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帰る場所ページ37

「…ちっ」

玄関前で立ち往生だ。なんせ、玄関越しから臭う女の匂い…ぜってぇ入りたくねぇ

仕方ない、適当に時間を潰すことにした。今は夜の10時半ネカフェもカラオケも入れない、うろつけば補導…結局、マンションのポストの所で携帯をいじった。

「映画見に行こうぜ」

「いいね！何見に行く？」

二郎とは二人で遊びに行く仲だ。あの変な告白以降、二郎から何もアクションを起こしてこない、それもまた良いのかもしれない

私だって裏の人間やってる、綺麗な人なわけがない、私だって悪い人だ。兄同様に、二郎はそんな汚い私を知って受け入れてくれるのだろうか…

「明日の10時にイケブクロ駅に着くと思う」

「分かった。迎えに行く」

メッセージのやりとりも終わり、自然と笑みがこぼれる、兄だってここまで徹底的に隠せばいいのに、家族の恋愛事情知っていい結果になるはずないし、そもそも、兄のダメな所は女を連れ込んでる、て事！！

「明日はどうしようかなぁ…」

映画館だしワンピースもあり、新しいリップもあるし…二郎に可愛い、て思ってもらいたいし…

ネットで調べて妄想してテイションが上がってきている時に携帯の通知音で現実に戻される、ディスプレイには「お兄ちゃん」と書いてあった。今日2度目のどん底だ。

「もしもし」

「…おい、お前今何時だと思ってんだ」

「11時過ぎ」

なんやかんや携帯弄ってたらもう時間が経っていた。

「餓鬼は早く帰ってこい」

電話越しでも伝わる怒っている声、そりゃそうだ。今日は夜出歩く理由もないし兄に何も言っていない

「だって、家に女いたら入り辛いじゃん、今もいるんでしょう」

そういうと、深いため息をつく

「もう帰ったから、早く帰ってこい」

「…はーい」

家に帰ると他の女の匂いがしたので掃除をした

徹底的に