子供でいたかった【ヒプマイ】 (ページ31)

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目覚めページ31

「…？？」

目がさめると、知らない天井に知らない匂い、ピッピッ、ていう謎の音、首を少し動かすとテレビでしか見たことのない器具が並んでいた。

「…！？
先生！！入間さんが目をさましました！！」

「…」

アセアセと走る看護師を見送り、今の状況を自分なりに考えてみた。

「愛車ァアアアア！！！」

頭を抱え悶絶する、相棒が死んだのだ。いつも一緒だったあの相棒が…！スクラップに…！！

「うん、元気そうで良かった」

寂雷先生が訪れ、問診をさっさと終わらせるの、優しく微笑みながらそう言った。

「どれくらい寝てましたか？」

恐る恐る聞いてみると、先生は長い指を顎に当て考え込んだ

「そうだね…三日間かな」

「３日も…！？」

どうやら、正面追突を免れ、そして愛車が盾になってくれた事もあり、さほど大きな怪我は無かったそうだ。ヘルメットがなければ頭潰れてたんだって

「何もなければ明後日にでも退院しても構わないよ」

「ありがとうございます」

三日間、どこの女が私のところに通っていたのだろう、個室に充満する女の匂い…、窓は開いているが、私の鼻をごまかせるものか

「この香水の匂い…間違いない」

テーブルに置かれたフルーツバスケットからほのかに香るフルーツの香りとブランド物の香水の匂い、病み上がりにはキツイ、吐き気がする

「クソ兄貴っ！！私の病室に女連れ込みやがって…！！」

これも新種のマウンティング…否！！宣戦布告！！

「A！目が覚めたと聞いて吹っ飛んできた」

「理鶯の兄貴…」

珍しく慌てて病室に入ってきた理鶯に驚く、その反面、兄じゃないのか…と、肩を落とす

「事故に遭ったと聞いた時は心臓が止まるかと思ったぞ」

パイプイスに腰掛け、私の顔をまじまじと見つめる、どうやら安否確認のようだ。

「大した怪我はないらしいです。何もなければ明後日にでも退院してもいい、て、先生が…」

とはいえ３日寝ていたのだ。今回のことは流石にやりすぎだ。今度から気をつけよう

「あの…兄は…？」

「銃兎か？アイツは仕事だ。後処理が忙しい、て言ってたぞ」

「そうですか…」