子供でいたかった【ヒプマイ】 (ページ23)

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子供ページ23

「理鶯の兄貴、ありがとうございます」

「いや、これくらい容易い」

事務所の地下、あまり言葉にしたくない様なものが沢山ある、極道だ。生温いわけがない

「久しぶりにしたものだから、少し手こずってしまった」

元軍人の理鶯は吐かせるプロ、とでも言おうか？敵には回したくないし、裏切る気もさらさら無い

「後片付けは小官がしておく、上で休め」

「ありがとうございます。お言葉に甘えさせてもらいます。」

左馬刻の居る部屋のソファーに座り、パソコンで報告書の作成をする、これで、彼等の足の部分は大分削ぐことが出来るだろう、あとは、本部に探りを入れるのみ

「ひぇっ…！？」

首筋に冷たい感触、いきなり過ぎてビクッと体を震わせる、振り返ると、悪戯っぽく笑っている左馬刻だった。

「間抜けな声出しやがって」

「おっ…と…

ありがとうございます。左馬刻の兄貴」

缶のジュースの差し入れを有り難く頂く、コーヒーが飲めない私への配慮だろう、冷たいジュースのおかげで、少し眠気が覚めた気がした。なんせ、私はオールが苦手なのだ。

「…」

ウトウトしながらパソコンに文字を打ち込むAを見つめる、少し見ていて不安なので、パソコンを取り上げた

「あ、ちょっと…」

ひょいっ、と軽軽々しくAを担ぎ、奥にある仮眠室に放り投げる、ふかふかのベッドに何回かバウンドした。

「ガキはちゃんと寝ろ、大きくならねぇぞ」

カーテンを閉め、寝る支度をテキパキと進める左馬刻を眺める

「寒かねぇか？」

そっと掛け布団をかけてくれる、瞼が重く、あぁ、眠気に勝てない…と意識が朦朧としてくる

「仕事が…兄さんに早めに、て言われてるのに…」

「餓鬼が心配すんな、ゆっくり寝ろ、兄貴分からの命令だ。」

「…はぁ…い」

もう眠気には勝てなかった。夢の世界へこんにちわだ。

「…」

左馬刻はAのネクタイを緩ませ、ボタンを第2まで開ける、そして、首筋に触れる

「ったく…ヤンチャが過ぎるのも困りもんだな…」

スタンガンの痕を見て、少し複雑な気持ちになったが、小さく、そして時間が経てば消えそうな傷で良かった。とホッとした。